記者会見する豊田章男自工会会長《写真提供 自工会》

つい先日88歳の生涯の幕を閉じられたフランスを代表する俳優のジャンポール・ベルモンドさんが出演した映画のタイトルを拝借すれば『勝手にしやがれ』とでも放言したくなるような人も少なくないだろう。

政府は新型コロナウイルス対策で21都道府県に発令中の緊急事態宣言について、東京など19都道府県で9月30日まで延長する方針を固めたという。感染者が減少した宮城、岡山の2県は期限の12日で解除し、まん延防止等重点措置に移行。きょう9月9日にも正式決定する見通しとしている。

「延長」といえば、日本自動車工業会(自工会)では、豊田章男会長(トヨタ自動車社長)の任期を2024年5月まで2年間延長する方針で、こちらもきょう9日の理事会で決定するという。

きょうの読売と日経が報じているが、このニュースが流れると、間髪入れずに自工会は「本日、一部報道機関において、弊会の会長人事に関する報道がありますが、これは弊会が発表したものではなく、決定した事実はございません」とのコメントを発表したが、豊田会長の延長人事を打ち消すような記事は見当たらない。

報道が事実とすれば、豊田氏は最初の自工会会長を2012年から14年まで就任。18年5月に再登板した後も続投しており、今回、再延長が正式決定されると連続で3期6年、通算で4期8年の異例の長期体制となる。自工会の会長職は、トヨタ、ホンダ、日産自動車で代表権を持つ経営首脳が2年交代で務めるのが慣例だったが、激変する困難ない時代では強いリーダーシップが求められおり、発信力の重要性から判断しても「余人を以て代え難い」ということなのだろう。

ただ、自工会会長の“再延長”宣言は、地盤沈下が取り沙汰され豊田氏への待望論が依然根強い、「財界総理」へのギアチェンジが先送りされることにもなりそうだ。

2021年9月9日付

●緊急事態19都道府県月末へ延長、宮城・岡山解除(読売・1面)

●自工会会長豊田氏続投、任期2年延長へ(読売・6面)

●ホンダ・GM自動運転実験、ライドシェア、20年代半ば目標、月内開始(読売・6面)

●携帯「値下げ」終了?「圧力」の菅首相退陣(毎日・7面)

●羽田新線開業へ準備加速、来年度にも着工(産経・23面)

●低価格EV競争欧州で本格化、中国勢、シェア伸ばす(日経・15面)