ジャガーカーズは7月5日、英国で7月8日に開幕する「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」において、ジャガー『E-PACE』(Jaguar E-PACE)初のプラグインハイブリッド車(PHV)の実車を初公開すると発表した。
◆1.5リットル3気筒ガソリンエンジンにモーターの組み合わせ
ジャガー・ランドローバーは2020年以降、全車種へ電動パワートレインを設定する予定。EVをはじめ、PHV、ハイブリッド車(マイルドハイブリッドを含む)を投入していく計画だ。改良新型E-PACEのPHVは、この計画に沿って登場したPHVとなる。
改良新型E-PACEに設定されるPHVパワートレイン搭載車は、「P300e PHEV」グレードを名乗る。PHVシステムのエンジンは、1.5リットル直列3気筒ガソリン「インジニウム」ユニットが、最大出力200ps、最大トルク28.5kgmを発生し、前輪を駆動する。
この3気筒エンジンは、4気筒エンジンよりも33kg軽い。低摩擦で強力な性能と洗練さを実現し、優れた効率と燃費に貢献する。エキゾーストマニホールドはアルミ製シリンダーヘッドに組み込まれているため、ウォームアップ時間が短縮された。排気ポートからターボチャージャーのタービンホイールまでの距離も最小限に抑えられ、レスポンスを引き上げている。
◆PHVシステム全体で309psのパワー
最大出力109ps、最大トルク26.5kgmの電気モーターは、「エレクトリック・リア・アクスル・ドライブ(ERAD)」と呼ばれるリアアクスルに組み込まれ、後輪を駆動する。PHVシステム全体では309psのパワーと55.1kgmのトルクを獲得し、0〜100km/h加速6.5秒、最高速216km/hの性能を発揮する。
後席の下には、蓄電容量15kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。バッテリーは84個のセルで構成されており、各12個の50Ahモジュール7個に分けられている。EVモードでは、最大55kmをゼロエミッション走行することが可能だ。ジャガーカーズによると、英国の1日当たりの平均走行距離の30.2kmを、無充電で走行できるという。
このEVモードの効果もあって、燃費50km/リットル、CO2排出量44g/km(WLTP計測)の優れた環境性能を可能にした。また、「ベルト・インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター(BISG)」を搭載する。一定の速度を下回るとエンジンを停止させて、減速中のエネルギーを蓄電し、そのエネルギーを動力として活用する。
◆3種類の走行モードが切り替え可能
トランスミッションは8速AT。3気筒エンジンの出力とトルクに合わせて、エレクトリック・リア・アクスル・ドライブ(ERAD)とスムーズに連携するように設計された。
P300e PHEVグレードでは、「モード3」充電ケーブルが使用可能だ。出力7kW のAC家庭用充電ボックスや、AC公共充電ステーションに接続できる。これにより、1時間24分でバッテリーの80%の容量を充電できる。さらに、出力32kWのDC急速充電では、バッテリー容量の80%を、およそ30分で充電することが可能だ。
走行モードは、EVモード、「ハイブリッドモード」、「アテインモード」の3種類から選択できる。「ハイブリッドモード」は、状況に合わせて最適なパフォーマンスと効率的なドライビングができるよう、エンジンとモーターを自動的に切り替えて走行する。バッテリー残量が0%と表示されている場合でも、車両が全輪駆動を必要とする場合に備えて、約20%の電力を残す設定とした。「アテインモード」では、エンジンを主動力源として使用し、バッテリー残量85%を維持、または85%となるよう充電する。112km/hで走行した場合、約90分間でバッテリー残量は85%に到達する、としている。
ジャガー E-PACE に初のPHV、EVモードは55km…グッドウッド2021で実車発表へ
2021年07月07日(水) 15時30分
関連ニュース
- 『ジムニー』などSUV・クロカンにマッチするタフネスグッズ!【特選カーアクセサリー名鑑】 (08月17日 19時00分)