バイオエンプラ新意匠2層成形技術イメージ《写真提供 マツダ》

マツダは、同社研究開発者の一原洋平氏がバイオエンプラ新意匠2層成形技術の開発にて、プラスチック成形加工学会より第31回(2020年度)「青木 固」技術賞を受賞したと発表した。

「青木 固」技術賞は、プラスチック成形加工技術の発展に貢献した創造性の高い技術内容を広く内外に周知するとともに、将来のより深い進歩を促すことを狙いとして創設。独創的かつ優れた技術を表彰の対象としている。

受賞対象となったバイオエンプラ新意匠2層成形技術は、透明感のある表層と、光を反射・吸収して緻密さと透明感を発現する模様を転写した基材との2層成形により、従来技術では困難だった緻密な柄と深みのある色合いを実現。さらに、材料の色や基材に転写する模様を変えることで、多種多様な意匠への適用の自由度も高い点なども評価された。

マツダはこれまでバイオエンプラの特徴を活かした内外装意匠部品の無塗装化技術開発を行い、材料の持つ優れた環境性能だけではなく、従来塗装では実現できない高質感と、従来塗装工程廃止による環境貢献およびコスト改善を実現してきた。マツダが開発したバイオエンプラは、2015年に『ロードスター』の小型内装部品に初採用して以来、現在国内で販売しているすべての乗用車の内外装意匠部品に採用。その過程で、当初の小型部品から大型外装部品に採用できるようになるまで技術を進化させてきた。

今回受賞したバイオエンプラ新意匠2層成形技術は、これまでのバイオエンプラ無塗装化技術の商品性をさらに向上させるため、従来では実現困難な高い意匠性を実現できる技術として開発。『マツダ3』『CX-30』のシフトパネル、カップホルダーリッドパネルに採用している。

マツダ3《写真提供 マツダ》 CX-30《写真撮影 中野英幸》