BMW X3 改良新型のPHV「xDrive30e」《photo by BMW》

BMWは6月9日、改良新型『X3』にプラグインハイブリッド車(PHV)の「xDrive30e」グレードを設定し、今夏欧州市場で発売すると発表した。

◆PHVシステム全体で292hpのパワー

xDrive30eグレードには、BMWの最新世代のPHVシステム、「BMW eドライブ」テクノロジーを搭載する。PHVシステムのエンジンは、2.0リットル直列4気筒ガソリンターボで、最大出力184hp/5000〜6500rpm、最大トルク30.6kgm/1350〜4000rpmを発生する。モーターは最大出力109hp、最大トルク27kgmで、8速ATの「ステップトロニック」と一体設計された。駆動方式は4WDの「xDrive」。EVモードで走行する場合でも、必要に応じて前輪と後輪の間で駆動トルクを配分する。

エンジンとモーターを合わせたPHVシステム全体で、292hpのパワーと42.8kgmのトルクを獲得する。この効果で、0〜100km/h加速6.1秒、最高速210km/hの性能を可能にする。

また、バッテリー(二次電池)は蓄電容量12kWhのリチウムイオンで、後席の下に配置した。EVモードの航続は、最大で50km。この効果もあり、欧州複合モード燃費が50km/リットル、CO2排出量が45g/km(いずれもWLTP計測)と、優れた環境性能を実現している。

充電ソケットは、フロント左フェンダーのフラップ内に設置している。フロントフェンダーには新たに、PHVを示す「electrified by i」のエンブレムが配された。ホイールハブカバーの BMWロゴには、青いリングが追加されている。

◆EVモードの最高速は135km/h

改良新型X3のPHVには、「MAX eドライブ」モードを採用する。これは、EVモード時の最高速を、110km/hから135km/hへと引き上げるモードだ。ドライバーは、センターコンソールのeDriveボタンを操作して、MAX eドライブモードを選択する。

さらに、改良新型X3のPHVには、補助空調システムを標準装備した。 また、「BMWコネクテッドアプリ」を使用して、スマートフォンから室内装備の一部をリモート制御できる。ドライバーは冬には暖かい車内に乗り込み、夏にはエアコンが適切に作動した車内に乗り込むことができる。

デジタルサービスにより、外出中にバッテリーを充電することが可能だ。このデジタルサービスは、ドライバーが公共の充電スタンドを探すことをサポートし、充電プロセスをリモート機能で制御できるようにする。車両の充電状態、EVモードを組み合わせた航続、エネルギー消費に関する情報を、ドライバーのスマートフォンなどに送信する。

インテリアのスペースは、通常のX3と変わらない。トランク容量は450リットルを確保した。リアシートは、40:20:40の3分割で折り畳むことが可能だ。これにより、収納スペースを最大1500リットルまで拡大できる。

◆クラウドベースのナビシステム「BMW マップス」

改良新型には、「BMWマップス」を導入した。クラウドベースのシステムで、高い正確性、目的地入力の簡素化を実現している。この新世代のナビゲーションシステムは、正確かつ短いインターバルで提供されるリアルタイム交通情報に基づいて、迅速にルート計算を行う。さらに、BMWマップスとコネクテッドパーキングを組み合わせると、目的地付近の空いている駐車場を検索できる。

「BMWライブコックピットプラス」と 「BMW ライブコックピットプロフェッショナル」では、ワイヤレスのApple「CarPlay 」によって、スマートフォンとの統合を可能にした。ドライバーはアプリからのすべての重要な情報をコントロールディスプレイに表示できるだけでなく、インテリジェントに処理された形で、インストルメントクラスターやオプションの BMWヘッドアップ ディスプレイに表示することもできる。

改良新型は、グーグルの「Android Auto」にも対応する。運転中でも、音楽、メディア、メッセージアプリなどのスマートフォン機能を簡単かつ安全に利用できるようにした。

◆最新のBMWインテリジェントパーソナルアシスタント

改良新型には、最新世代の「BMWインテリジェントパーソナルアシスタント」を採用する。音声入力で、例えば「ハイBMW」と呼びかけるか、ボタンを押して作動することもできるこのデジタルコンパニオンは、常に新しいスキルを獲得する、と自負する。自然な話し言葉で指示してエアコンを調整できるようになった。最新のニュースを読み上げる新しいニュースアプリにアクセスすることも可能に。さらにBMWインテリジェントパーソナルアシスタントは、快適性と運転する楽しさを高めるため、特定の状況下で行うルーティン作業も学習する。

「BMWオペレーティングシステム7」の導入により、改良新型ではリモートソフトウェアアップグレード機能を利用できるようになった。これにより、車両は常に最新のソフトウェア状態を維持する。アップグレードには、新しいサービスから改善された車両機能まで、さまざまなコンテンツが含まれている。すべてのアップデートはワイヤレスで行われる。

また、インテリジェントネットワークによって、追加の車両機能を後から車両に組み込むことができる。デジタルサービスで後から装着できるオプションには、ハイビームアシスタントや、ドライブレコーダーなどがある。

◆最新の先進運転支援システム「ドライビングアシストプロフェッショナル」

改良新型には、最新の先進運転支援システム(ADAS)として、「ドライビングアシストプロフェッショナル」をオプション設定する。このシステムは、「ドライビングアシスト」に「アクティブクルーズコントロール」を組み合わせたもの。最高210km/hまでの車速で、ドライバーを支援する。

「ステアリング&レーンコントロールアシスタント」は、最高210km/hまでの車速で利用可能。このシステムは三焦点レンズ付きカメラとフロントレンジレーダーのデータを基にして、前方の車線マークや前走車の位置を特定し、認識した車線を維持するようにステアリングで修正し、ドライバーと協調してアシストする。例えば、高速道路上の工事区間のように狭くなる場所でも効果的に支援する。ドライビングアシストプロフェッショナルには、ステアリング修正機能を備えたアクティブサイドコリジョンプロテクション機能付きレーンキーピングアシスタントも含まれている。

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