ホンダは3月16日、最後の参戦となる2021年のF1(フォーミュラ・ワン)初戦を前に、オンラインによるメディア向けのプレビュー会見を開いた。
ホンダは2015年から第4期となるF1を戦っており、コロナ禍で揺れた2020年シーズンはレッドブル・レーシングとアルファタウリ・ホンダの2チームで計3勝をあげた。近年の年間3勝は19年シーズンから2年連続だった。
ホンダは咋年10月に、将来のカーボンニュートラル実現に向けた電動化推進や安全技術の高度化などの課題に対応するため、21年シーズン限りでのF1撤退を発表した。有終の美をめざす今季は昨年と同じ2チーム体制だが、アルファタウリ・ホンダには日本人のF1ドライバーとしては小林可夢偉選手以来7年ぶりの参戦となる角田裕毅選手が新たに加わっている。
角田選手は20歳で、日本人F1ドライバーとしては最も若い参戦であるだけでなく、今季のF1ドライバー20人のなかでも最年少だ。日本人初のF1優勝への期待も高まっており、ホンダには強力な新人登場となている。
ホンダが2チームに供給するパワーユニットも、今季は新骨格となったエンジンなどにより、競合にひけを取らないパフォーマンスが期待できそうだ。16日のプレビュー会見に出席した本田技術研究所の四輪モータースポーツ専門部門「HRD Sakura」のセンター長で、F1プロジェクトリーダー(LPL)を兼ねる浅木泰昭氏は、新骨格エンジンについて「カムシャフトのレイアウトを下に降ろすことで大幅なコンパクト化を図った。重心は低く空気の流れも変わり(セッティングの)自由度が増した」と紹介した。
ホンダは咋年にこの新骨格の開発に着手したものの、コロナ禍で中断を余儀なくされた。今季での撤退が決まった際、浅木氏が「このままでは撤退できない」と八郷隆弘社長に訴え、開発再開の快諾を得たという。
浅木氏は最終の挑戦となる今季の目標を「シーズンチャンピオン」と明言し、そのうえで、「技術者たちが世界一になり、八方ふさがりを打開しながら、これからのカーボンニュートラルに取り組んでもらいたい。技術者たちが真の自信をもつには勝つしかない」と、人材育成を念頭に勝利へのこだわりを強調した。
今季のF1は、バーレーンGP(決勝3月28日)を初戦にアブダビGP(12月12日)まで、史上最多となる全23戦が予定されている。
【ホンダF1】浅木LPL「世界一になって真の自信を」…最終シーズン開幕へプレビュー
2021年03月16日(火) 16時15分
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