キアの米ジョージア工場《photo by Kia Motors》

例年より1日早い節分に立春が過ぎたと思ったら、関東では早くも「春一番」が吹き、統計を開始した1951年以降最も早い記録だという。春の訪れを告げるような南寄りの風とは違い、厳しい批判の嵐が吹き荒れているのが、東京オリンピック・パラリンピックの大会組織委員会の森喜朗会長。

森会長が女性は会議で長く話しすぎるため、女性の多い会議は「時間がかかります」と発言し、女性に対する差別だと批判されたことについて、「不適切だった」と謝罪した。きょうの朝日、毎日、東京が1面トップで「森会長軽蔑発言を謝罪」と報じるなど、開催が危ぶまれている中、火に油を注ぐような謝罪で実に情けない。

そんな情けない話題はともかくとして、世界の自動車業界に目を向けると、気になるニュースが紙面を飾っている。

その一つが、米CNBCテレビが、アップル(Apple)が電気自動車(EV)の生産で、韓国の現代自動車(ヒョンデ、ヒュンダイ)傘下の起亜自動車(キア)と提携する交渉が合意に近づいていると報じた。きょうの朝日なども取り上げているが、2024年の生産開始を目指し、起亜が南部ジョージア州ウエストポイントに持つ工場で、アップルカーの生産を請け負う内容の提携交渉が進められていると伝えている。

運転手を必要としない近距離の配送業務などに用いる自動運転車両を想定をしているという。アップルによる自動車事業参入については、年明けから複数のメディアによって、研究や開発が進められていると報じられてきたが、EVに本格参入すれば、巨大ITを含めた開発競争がさらに激しくなるだろう。

一方で、欧州では、ジャーマンスリーの一角、独ダイムラー(Daimler)が、商用車部門の「ダイムラー・トラック」を分離して上場させた上で、乗用車部門の「メルセデス・ベンツ」を後継会社とすると発表。ダイムラーの社名はメルセデス・ベンツになるそうだ。きょうの読売や日経が報じているが、「強みを持つ高級車市場で意思決定を速め、シェア(占有率)拡大を目指す」という。また、新生メルセデス・ベンツとしてEVやデジタルへの対応を加速し、高級車の盟主の奪還を狙うとも伝えている。コロナ下でも地殻変動がじわりじわりと進行しているようだ。

2021年2月5日付

●脱炭素電力購入推進、再企業向け新制度、政府方針(読売・1面)

●20年世界需要6割減、航空続くコロナ危機、21年も回復不透明(読売・9面)

●ダイムラー「商用車」分離、社名メルセデス・ベンツに(読売・9面)

●森会長、発言撤回し謝罪、辞任は否定、五輪組織委(朝日・1面)

●日産労組、月7000円値上げ要求へ(朝日・6面)

●欧州EV販売倍増、昨年、補助金追い風(朝日・7面)

●ホンダ、無人相乗りサービス計画、年内にもGMと国内実験(朝日・7面)

●燃料電池車中国先行、広東省「水素の街」普及加速、市民の足に(毎日・6面)

●1月の新車販売ヤリス首位維持、国内・5カ月連続(毎日・6面)

●アップルEV参入か、現代系と提携交渉報道(産経・7面)

●デンソーがミャンマー部品工場再開(産経・7面)

●日本電産、EV技術取得、三菱重工から300億円で取得(日経・1面)

●マツダ最終赤字500億円、今期、予想より縮小米中で販売回復(日経・17面)

●電動キックスケーター、ヘルメットなし認可地域はOK、警察庁(日経・34面)

メルセデスベンツ・アクトロス《photo by Daimler》 謝罪会見する東京オリンピック・パラリンピックの大会組織委員会の森喜朗会長《Photo by Kim Kyung-Hoon - Pool/Getty Images Sport/ゲッティイメージズ》