フォードモーターは12月1日、フォード『マスタング』シリーズの新型EV、フォード『マスタング・マッハE』(Ford Mustang Mach-E)に、高性能グレードの「GTパフォーマンスエディション」を設定すると発表した。
「マッハE」とは、1970年代の2代目フォード・マスタングに用意されていた高性能モデル、「マッハ1」を連想させるネーミング。フォードモーターは2022年までに、電動化に110億ドル以上を投資し、電動車両のラインナップを拡大する予定だ。2022年までに、全世界の電動車ラインナップを40車種に増やし、そのうちの16車種をEVにする計画を掲げている。
この16車種のEVのひとつが、マスタング・マッハEだ。マスタングはフォードを代表する伝統のスポーティカーであり、マスタング・マッハEはパフォーマンス志向の電動SUVになる。
◆0〜96km/h加速は3.5秒
マスタング・マッハEのGTパフォーマンスエディションは、「GT」グレードをベースにしている。GTグレードのモーターは、前後に搭載されており、2つのモーターは合計で最大出力459hp、最大トルク84.6kgmを獲得する。駆動方式は4WDの「eAWD」だ。0〜96km/h加速は3秒台の性能を発揮する。
これに対して、GTパフォーマンスエディションでは、モーターが強化される。2つのモーターは合計で最大出力が480hp、最大トルク87.6kgmを引き出す。ベースのGTに対して、パワーは21hp、トルクは3kgm引き上げられた。駆動方式は4WDのeAWD。0〜96km/h加速は3.5秒の性能を可能にしている。
4WDシステムのeAWDは、前後の車軸に独立してトルクを分配し、後輪駆動モデルよりも優れた加速とハンドリング性能を追求する。フォードモーターは4WDシステムをチューニングして、トラクション性能や雪などの滑りやすい路面でのコントロール性能を高めた。
◆1回の充電での航続は最大378km
GTパフォーマンスエディションのリチウムイオンバッテリーはGT同様、蓄電容量を標準仕様の68kWhから88kWhへ増加させた。1回の充電での航続は、EPA(米国環境保護局)の認証予定値で最大378kmを見込んでいる。
バッテリーは、車両の床下に配置され、マイナス40度という低温でテストされた。この水冷式バッテリーは、衝撃吸収構造の防水バッテリーケース内に搭載される。
マスタング・マッハEは、急速充電に対応している。10分間で、およそ100km走行分のバッテリー容量が急速充電できる性能を備えている。
◆スポーツ性が強調された内外装
GTパフォーマンスエディションには、赤いブレンボ製キャリパーを備えた19インチフロントブレーキ、245/45R20サイズのピレリ製タイヤ、20インチのマシーン加工ホイールなど、スポーティな装備が盛り込まれる。リアには、GTパフォーマンスエディションのエンブレムが付く。
ボディカラーは、サイバーオレンジメタリック、ダークマターグレーメタリック、ラピッドレッドメタリック、スターホワイトメタリック、グラバーブルーメタリック、シャドウブラック、アイコニックシルバーメタリック、スペースホワイトメタリックが用意される。
足回りには、「MagneRide」ダンパーを装着する。磁性体を使用したダンパーによって、ハンドリングパフォーマンスを追求している。
インテリアは、フロントシートに「フォード・パフォーマンス」のメタリックステッチが配され、パフォーマンスグレーの「ActiveX」素材をあしらう。インストルメントパネルには、アルミ製トリムを採用している。
フォード マスタング EVに高性能モデル、480馬力ツインモーター…GTパフォーマンス設定
2020年12月03日(木) 18時00分
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