フォルクスワーゲン・ゴルフ・オールトラック 新型《photo by VW》

フォルクスワーゲンは11月18日、新型『ゴルフ・オールトラック』(Volkswagen Golf Alltrack)の受注を欧州で開始した。新型『ゴルフ・ヴァリアント』をベースにしたクロスオーバー車で、ドイツ本国でのベース価格は、3万9337ユーロ(約484万円)だ。

◆新型ゴルフ・ヴァリアントをベースに車高をアップ

ゴルフ・オールトラックは、新型が2世代目モデルだ。新型も従来型と同じく、ゴルフ・ヴァリアントをベースに車高を引き上げ、専用前後バンパーやサイドスカート、フェンダーアーチなどを採用した。インテリアには、専用のシート地などが導入される。

また、新型ゴルフ・オールトラックは、4WDの「4MOTION」を標準で搭載した。これにより、新型は真のオールラウンダーになるという。フルタイム4WDのおかげで、キャンピングカーなど、最大2000kgの牽引能力を備えている。

メカニズム面は、新型ゴルフ・ヴァリアントに準じる。最新のデジタルコックピットに加えて、「トラベルアシスト」や新しいLEDマトリクスヘッドライトの「IQ.LIGHT」などが、オプションで選択できる。

◆最新の「Digital Cockpit Pro」

インテリアには、最新のデジタルコックピットとして、「Digital Cockpit Pro」が採用された。すべてのディスプレイと操作系を、広範囲にデジタル化した。これにより、各機能を直感的に操作できるようにしている。新開発のインストルメントパネルとオンラインインフォテインメントシステムは、タッチボタンとタッチスライダーを備えた横長のディスプレイに組み込まれる。

デジタルコックピットには、インストルメントクラスター、8.25インチのタッチスクリーンを備えたコンポジションオンラインインフォテインメントシステム、マルチファンクションステアリングホイールが含まれている。これらが一体となって、すべてのディスプレイとコントロールをデジタル化した。

タッチスライダーを使用すると、空調の温度とオーディオの音量を、素早くコントロールできる。また、インフォテインメントシステムの下の小型のデジタルパネルに触れれば、空調、先進運転支援システム(ADAS)、運転モード、駐車アシスタントを操作できる。

もうひとつの小型のデジタルパネルを、ステアリングホイールの左側にレイアウトした。ここでは、ライト類やフロントガラスとリアウィンドウの曇り止めの操作が行える。また、オンラインサービスの「We Connect」や「We Connect Plus」、オートエアコンの「エアケアクリマトロニック」、Bluetooth通話インターフェースも装備されている。

◆最高210km/hまで可能な部分自動運転

最新の先進運転支援システム(ADAS)を搭載する。自動運転への道を切り拓くフォルクスワーゲンの運転支援システムの新しい傘下ブランド、「IQ.DRIVE」(アイキュー・ドライブ)を導入した。

そのひとつが、トラベルアシストだ。コンパクトクラスでは、世界初採用となるという。ステアリングやアクセル、ブレーキを操作することなく、高速道路などにおいて、0〜210km/hというあらゆる速度域での部分自動運転を可能にしている。

トラベルアシストは、マルチファンクションステアリングホイールのボタンに触れて、システムを起動する。法律や安全上、ドライバーは常にこのシステムの作動を監視する。そのため、トラベルアシストでは、ドライバーがステアリングホイールを握っているか否かを、静電容量式タッチセンサー式の「キャパシティブステアリング」(ハンドル保持検知機能)によって確認する。

このほか、レーンアシスト、レーン逸脱警告システム、自動ブレーキと歩行者モニター機能付き「フロントアシスト」、電子ディファレンシャルロック「XDS」、「Car2X」交通ハザード警告、キーレススタートなどが採用されている。

◆ゴルフ史上最強の最大出力200ps の2.0ターボディーゼル

新型に搭載される直噴2.0リットル直列4気筒ターボディーゼル「TDI」エンジンは、最大出力200ps、最大トルク40.8kgmを発生する。フォルクスワーゲンによると、TDI エンジンを搭載した史上最もパワフルな『ゴルフ』になるという。最高速は229km/hの性能を発揮する。

このディーゼルエンジンには、「ツインドージング」と呼ばれる2つのSCR 触媒コンバーターを採用した。ツインドージングでは、「Adblue」を直列に配置した2つのSCR触媒コンバーターの上流から注入する。Adblueは、排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)を、水と窒素に分解する還元剤の役割を担うアンモニアを含んだ尿素水だ。

ツインドージングを行うには、車両に2つ目のSCR触媒コンバーターを装着することが必要になる。第2の触媒コンバーターの上流の排気温度は、エンジンまでの距離が長いため、およそ100度低くなる。これにより、排気ガスの後処理能力が拡大する。フォルクスワーゲンによると、排気ガス温度がおよそ500度に達するエンジン付近でも、システムは非常に高い変換率を達成できるという。さらに、SCRシステムの下流のブロッキング触媒コンバーターが、過剰なアンモニアスリップを防止する。

フォルクスワーゲンによると、新ディーゼルは、窒素酸化物(NOx)の排出量を大幅に削減し、燃費やCO2排出量も改善すると同時に、エンジンのレスポンスも向上しているという。燃費はNEDC(新欧州サイクル)で20.8km/リットル。燃料満タンで約1000kmの航続を可能にする、としている。

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