燃料電池トラック、ヒュンダイ・エクシェント《photo by Hyundai》

韓国のヒュンダイ(現代)自動車は14日、水素燃料電池トラック『エクシェント』のグローバルプレミアをネット配信した。エクシェントは世界最初の量産燃料電池駆動大型トラックで、最初の7台が7日にスイスの顧客に引き渡されている。

スイスでは年内に50台が納車される予定だ。エクシェントの発売は同時に、ヒュンダイ商用車の欧州市場への正式な進出となり、北米や中国の商用車市場へ進出する準備ともなる。

欧州、北米、中国でのグリーンモビリティ普及に伴い、ヒュンダイではエクシェントの生産能力を2021年時点で年産2000台と予定している。燃料電池トラックの市場規模についてヒュンダイは、北米では2030年までに1万2000台が走っていると予測する。中国では2030年までに、トラック以外も合わせた水素燃料車は、100万台に達すると予測している。

その中国市場においてヒュンダイは、燃料電池トラック3車種を準備している。2022年に中型トラックを、もう2〜3年のうちにヘビーデューティを、さらに中国市場向けに“戦略的に”企画された、もう1車種のヘビーデューティを投入する予定だ。ヒュンダイでは2030年までに2万7000台の販売目標をもっている。

いっぽう欧州では、2025年までに1600台の燃料電池トラックを販売する計画だ。水素エコシステムの成長のために、ヒュンダイはスイスにおいて水素供給ステーション100カ所以上を整備する。この数は、商用車だけでなく乗用車の使用にも充分な数だという。

欧州で納車が始まったエクシェントは、190kWの燃料電池システムと、95kWの燃料電池スタックを装備する。水素タンクは7個あり、合計で約32.09kgの水素を搭載する。フル充填での航続は、4×2トラックとトレーラーの組み合わせ、34t、冷蔵の場合、約400kmだ。1台のエクシェントをフル充填するのに必要な時間は8〜20分とされる。ヒュンダイによると、エクシェントの長い航続と短い燃料充填時間は、商業配送や調達に適しており、パワープラントは、スイスの山岳地帯のアップダウンでも充分なエネルギーをもつという。

さらにヒュンダイでは、燃料電池システムの耐久性と出力を向上させた、航続1000kmの長距離用トラクターユニットを開発中で、北米や欧州を含むグローバル市場に投入予定だそうだ。

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