F1アイフェルGPでの“金曜初出走”が決まったミック・シューマッハ。《写真提供 Ferrari》

FIA-F2選手権で目下シリーズランキング1位のミック・シューマッハが、今季F1第11戦、ニュルブルクリンクで開催されるアイフェルGPにおいて10月9日、フリー走行1回目で“金曜初出走”を果たすことが決まった。アルファロメオのマシンに乗る。

1999年3月22日生まれ、現在21歳のミック・シューマッハ(国籍ドイツ、生まれはスイス)は、フェラーリなどで活躍したドイツ出身の偉大なF1皇帝ミハエル・シューマッハの息子だ。現在はフェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)の一員であり、今季はFIA-F2選手権で第10戦終了時ポイントリーダーの座にある(日本の角田裕毅は現在ランキング3位)。

9月中旬のF1第9戦トスカーナGPではフェラーリの通算“1000 GP”達成に際し、ミックが父ミハエルの最終7冠目獲得マシン、フェラーリ「F2004」でデモランをするメモリアルな一幕も。そしてミックは、ついにF1のレースウイーク公式セッションに初めて出走することとなった(F1のテストに参加した経験は以前にもある)。

その舞台はドイツ・ニュルブルクリンク(GPコース)で開催される今季F1第11戦アイフェルGP(万単位での“有観客”予定とされる)。フェラーリ製パワーユニット(PU)搭載チームのアルファロメオから、ミックは10月9日の金曜フリー走行1回目(FP1)に出走する。

ミックは、レースドライバーであるアントニオ・ジョビナッツィのマシンに乗る予定。そしてアルファロメオのもうひとりのレースドライバー、FP1でミックと共同作業するかたちになるのはキミ・ライコネンだ。つまり全盛期の父ミハエルとも戦った大ベテランが、ミックの“F1で最初の僚友”という格好になる(ミハエルとライコネンがF1で同時期に同じチームでレースドライバーだったことはない。ちなみにライコネンはアイフェルGPでF1通算323戦出走となり、R. バリチェロを抜いて歴代単独最多に)。

ミックはFDAやアルファロメオへの感謝を述べつつ、「このチャンスにすごく喜んでいるよ。F1のウイークエンド(におけるF1公式セッション)への最初の参加が母国(ドイツ)の観衆の前になるのだから、その瞬間はより一層、特別なものになると思う。これからの10日間ほどでしっかり準備をして、(アイフェルGPのFP1では)チームに有用なデータをもたらす働きができるようにしたい」との旨を語っている。

なお、FDAではミック同様にF2で活躍中のFDA選手、C. アイロット(現在ランク2位)とR. シュワルツマン(同5位)にもF1のレースウイーク公式セッション参加機会を設けることを発表しており、アイロットはミック同様に次戦アイフェルGPにて、こちらはハース(フェラーリ製PU搭載)から金曜のFP1に出走する予定。シュワルツマンに関しては、現段階で今季最終戦アブダビGPでのFP1出走が計画されている(搭乗チームは未発表)。

また、上記3人のF2ドライバーは9月30日にフェラーリのテストコース「フィオラノ」で、フェラーリの2018年型F1マシン、フェラーリ「SF71H」でテストをする予定にもなっている。

F2での好成績とともに、いよいよ現実のものとなりそうな雰囲気も感じられるミック・シューマッハのF1昇格。本人も一定の手応えを感じつつあるところではないか。もちろん、いきなりフェラーリでレースドライバーということはないだろう、既に来季のフェラーリはシャルル・ルクレール(残留)とカルロス・サインツJr.(マクラーレンから移籍)のラインアップとなることも決まっている。やはり予想されるのは、フェラーリ製PU搭載チームのどこかでレースドライバーに、というかたちだ。ともあれ、まずは今年のニュル戦、“10・9”の金曜初出走に注目が集まる。

ミック・シューマッハは今季F2で目下シリーズリーダーである。《写真提供 Ferrari》 F2での#20 ミック・シューマッハ。《写真提供 Ferrari》 F1トスカーナGPでは、ミックが父のF1最終戴冠マシン「フェラーリF2004」でデモランを披露した。《写真提供 Ferrari》 F1トスカーナGPでは、ミックが父のF1最終戴冠マシン「フェラーリF2004」でデモランを披露した。《写真提供 Ferrari》 今季のF2スパ・フランコルシャン戦、Race1では角田裕毅(中央)が優勝、ミック・シューマッハ(右)が3位。《写真提供 Honda》 F1アルファロメオの今季マシン「C39」(写真はベルギーGP、#99 A.ジョビナッツィ)。《写真提供 Pirelli》