テスラ車と充電器。米カリフォルニア州では、2035年から州内で内燃機関車の販売が禁じられる。《Photo by Justin Sullivan/Getty Images News/ゲッティイメージズ》

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

米電気自動車(EV)メーカーのテスラといえば、高級車ブランドのイメージが強烈だが、創業者のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が、3年以内に大衆市場向けの新型EVを発売すると発表、話題になっている。

「お手ごろのEVを発売することは、創業以来の夢だった」というマスクCEO。きょうの朝日は「テスラ260万円のEV」のタイトルで、テスラがEVの基幹部品である電池(バッテリー)で電池容量あたりのコストを半減させる一方、航続距離を5割延ばす技術開発に成功したと発表。さらに、新技術を使い、3年後には、ガソリン車に対抗できる2万5000ドル(約263万円)のEVを投入する考えも示したと伝えている。

また、日経も23日の夕刊で速報したのに続いて、きょうの朝刊でも「EV競争電池が主役」として「EVの性能とコストを左右する電池の競争激化が、車体価格の低下につながりEV普及に弾みがつく可能性がある」などと取り上げた。

EVの話題といえば、ホンダもようやく重い腰をあげて10月末には500万円近い”高級”EVを発売するが、すでに三菱自動車が世界に先駆けて量産型EV『アイミーブ』を発表したのは2009年のこと。当時の三菱自社長はこの8月27日に心不全で亡くなったばかりの益子修氏だったが、発表会では「次の100年で中心的な役割を果たす究極のエコカー」などと、自信をのぞかせたスピーチは今でも忘れられない。

あれから10年、”世代交代”といえばそれまでのことだが、お彼岸入りの4連休中には、そのアイミーブの生産を年内にも打ち切るという、関係者にとってはやりきれないほどのさみしいニュースも流れていた。

2020年9月24日付

●広州「運転手なし」公道試験、自動運転中国加速(読売・7面)

●4連休の高速道交通費17%増(読売・29面)

●テスラ260万円のEV、電池の新技術開発、3年後に投入へ(朝日・9面)

●4連休中の観光地、昨年上回る人出も(朝日・34面)

●中国新車販売回復鮮明、8月、日米欧、低迷続く(毎日・8面)

●巣ごもり追い風裾野拡大へ、東京ゲームショウ初のオンライン開催(毎日・8面)

●主張、JR最終電繰り上げ鉄道離れ加速させかねぬ(産経・2面)

●ソニーEV試作車は挑戦状か、社名変更に託された長期戦略(産経・8面)

●日本交通、配車5分に半減、新人運転手も中堅並み(日経・16面)

●西武鉄道終電繰り上げ検討、20〜30分、来春にも(日経・16面)

●JR東、駅ナカ個室オフィス、商業店舗の誘客も期待(日経・17面)

●中古車競売価格9.1%高、8月、3か月連続プラス(日経・22面)

●車の大変革中部がけん引、トヨタ、実用化に先手、自動運転車「10年で10倍に」(日経・29面)

ソニーのEV、ヴィジョンSと吉田憲一郎社長(CES 2020)《Photo by Mario Tama/Getty Images News/ゲッティイメージズ》 JR東日本グループが展開する駅ナカワーキングスペース(イメージ)《写真提供 東日本旅客鉄道》