アウディ Q3 新型(Q3 35 TDI quattro S line)《写真撮影 柳田由人》

◆血圧が激上がりになるほど楽しい

コンパクト好きな私には、『Q2』がストライクゾーンのど真ん中なのだけれど、『Q3』も外角高めながら、苦しゅうない打ってしんぜよう、というサイズ感だ。ところが、今回のQ3は、苦しゅうないどころか、血圧が激上がりになるほど楽しい。これはやばい。

試乗車は、「Q3 35 TDI quattro S line」。Q3に初めて搭載された2リットルのディーゼルターボエンジンだ。


ディーゼルターボは、モノによっては、ペダルを踏みこんでから加速まで、一瞬のタイムラグが生じることがあるけれど、Q3は、それがほとんどない。踏むと即座に、ぐぐっと前に進んでいく。しかもほどよい余裕のある力強さだ。

さらに、踏み込んだときの足への反力、つまり、ペダルの手応えならぬ足応えが十分に感じられる。女性の踏力にはちょっと重め? と思えるほどの微妙な味付けなのだが、前に進む加速感とシンクロしていて気持ちいい。

◆まさに「小気味よい」ハンドリング


ハンドリングは、コーナーを回っていくときに、ちょっと大げさだけどハンドルと前タイヤが直結しているんじゃないか(そんなはずはない)というくらいに反応がいい。小気味よい、という日本語を、ここでこそ使うべきだと強く思う。もちろん、敏感すぎて不安になるところは微塵もない。

この安心感を演出しているひとつは、ロールのなさだ。左右にふわふわとゆれない。SUVならではの高い車高で、右へ左へとコーナーをクリアしていくのに頭が揺れない。いや、上半身もふられない。視点がずれないし腹筋も使わないですむ。硬めのシートバックが背中をそっと支えてくれるけれど、それに頼る必要がないのである。

なにこの、騎士感。まるで、守られたお姫様気分である。



◆ディーゼルはスポーツなのだ

クワトロ(4WD)の場合、下半身が重くて安定するぶんハンドリングや加速に逆に重さを感じることが多いけれど、Q3はただただ走りが安定していて楽しい。もう本当に、痛快な楽しさしかない。

そういえば、アウディはディーゼルでルマン24時間も出ていたっけ。ディーゼルはスポーツなのだ。これまで、ディーゼル車にそこまでスポーツを感じることはなかったけれど、Q3は間違いなく、楽しいのである。




■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、ノンフィクション作家として子どもたちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

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