BMW iX3 のティザーイメージ《photo by BMW》

BMWグループ(BMW Group)は7月9日、新型EVのBMW『iX3』を7月14日、デジタルワールドプレミアすると発表した。

◆第5世代のBMW「eDrive」テクノロジー

iX3は、BMWブランド初のEVのスポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)になる。EVパワートレインには、BMWグループにとって、第5世代のBMW「eDrive」テクノロジーが搭載される。

第5世代のBMW eDriveテクノロジーに使用されるすべてのパワートレインコンポーネントは、自社開発された。さらに、電気モーターと高電圧バッテリーは、自社工場で生産される。駆動ユニットと高電圧バッテリーユニットは、出力や蓄電容量を柔軟に変更できるため、さまざまなコンセプトやセグメントの車両に搭載できるという。

BMW iX3の第5世代BMW eDriveテクノロジーは、電気モーター、エレクトロニクス、トランスミッションを一体設計し、ドライブユニットに集約した。その結果、設置スペースと重量を大幅に削減する。モーター出力と駆動システムの重量の比率は、第4世代に比べて、およそ30%向上しているという。

◆最大出力286hpのモーター搭載

BMW iX3に搭載される電気モーターは、最大出力286hp、最大トルク40.8kgmを引き出す。電気モーターは、後輪に動力を伝達し、力強い加速を可能にしているという。

BMW iX3の高電圧バッテリーユニットは、BMWの第5世代eDriveにとって、不可欠な部分となる。一貫した研究開発体制により、エネルギー密度を高めるだけでなく、バッテリーセルのすべての特性、とくに耐久性と安全性を引き上げているという。

BMW iX3の高電圧バッテリーユニットは、車両フロアの平らな位置に搭載される。このレイアウトのおかげで、BMW 『X3』のプラグインハイブリッド車(PHV)と比較して、室内と荷室のスペースを犠牲にしていないという。

◆1回の充電での航続は約440km

バッテリーの蓄電容量は74kWhだ。1回の充電での航続は、WLTPテストサイクルで、およそ440 kmを実現する。駆動コンポーネントの高い効率と高電圧バッテリーユニットの高エネルギー密度のおかげで、BMW iX3は、より大型で重量のあるバッテリーを搭載したEVと同等の航続を可能にしているという。

BMW iX3は、BMWグループの電動化戦略のさらなるマイルストーンとなる。 2020年には、BMW X3は、既存のガソリンエンジンとディーゼルエンジン、およびPHVとEVのすべてで利用可能なBMWブランドの最初のモデルになる。BMW iX3は、BMWグループの中国合弁会社、BMWブリリアンスオートモーティブが、世界市場向けに生産を行う予定だ。

さらに、BMW『i3』と同様に、BMW iX3に搭載されている高電圧バッテリーは使用後、据え置き型のバッテリーパックとして再生される予定だ。 これにより、BMW iX3は、CO2バランスをさらに改善できるという。

◆航続を10km延ばすエアロダイナミックホイール

iX3に採用されるのが、「BMWエアロダイナミックホイール」だ。BMWグループによると、現代の自動車では、車輪と空気の流れが車両全体の効率に最大30%影響するという。BMWエアロダイナミックホイールは、アルミホイールと別設計されたインサートを組み合わせることにより、エアロダイナミクス性能を引き上げる。

新開発のエアロダイナミックホイールは、現行X3のホイールと比較して、抵抗を約5%減らしながら、軽量となる。ホイールアーチ周辺の空気の流れを最適化。ホイールは15%軽量に仕上げられるという。

エアロダイナミックホイールは、空力と重量の面において、欧州WLTPテストサイクルで、iX3の電費性能をさらに2%向上させる効果を発揮し、1回の充電での航続を10km延ばすことを可能にする。ホイールのデザインはさまざまな方法で変えることができる。

BMW iX3のエアロダイナミックホイールは、軽量構造と空気抵抗の低減を、Vスポークデザインに融合させた。新しいホイールは、軽量インサートによってバネ下質量が軽減される。これにより、駆動力と電費性能の両方が向上する。

ホイールのインサートは精密成形されており、ホイールのスポーク間に組み込まれる。これにより、ホイールアーチの乱気流を低減する効果を発揮する。インサートは、プラスチックとアルミ製とした。BMWグループによると、重量を最小限に抑えながら、空力特性を最適化するために、特許取得済みのプロセスを導入しているという。

エアロダイナミックホイールは、さまざまな色で塗装できる。マット仕上げやポリッシュ仕上げを選択することも可能だ。すべてのホイールに、光沢やパターンに応じてデザインが変えられるインサートを取り付けることができる。たとえば、ボディの色をアクセントとして、インサートに組み込むことが可能という。

BMW iX3 のプロトタイプ《photo by BMW》 BMW iX3 のプロトタイプ《photo by BMW》 BMW iX3 のプロトタイプ《photo by BMW》 BMW iX3 のプロトタイプ《photo by BMW》 BMW iX3 のプロトタイプ《photo by BMW》 BMW iX3 のEVパワートレイン《photo by BMW》 BMW iX3 のバッテリー《photo by BMW》 BMW iX3 のEVパワートレイン《photo by BMW》 BMW iX3 のEVパワートレイン《photo by BMW》 BMW iX3に採用されるエアロダイナミックホイール《photo by BMW》 BMW iX3に採用されるエアロダイナミックホイール《photo by BMW》