フォード・マスタング・マッハE《photo by Ford Motor》

フォードモーターは6月30日、フォード『マスタング』シリーズの新型EV、フォード『マスタング・マッハE』(Ford Mustang Mach-E)の受注を米国で開始した。同時に、同車の確定パワースペックを発表している。

「マッハE」とは、1970年代の2代目フォード・マスタングに用意されていた高性能モデル、「マッハ1」を連想させるネーミングだ。フォードモーターは2022年までに、電動化に110億ドル以上を投資する計画。この投資によって、フォードモーターは電動車両のラインナップを拡大する予定だ。2022年までに、全世界の電動車ラインナップを40車種に増やし、そのうちの16車種をEVにする計画を掲げている。

この16車種のEVのひとつが、マスタング・マッハEだ。マスタングはフォードを代表する伝統のスポーティカーであり、マスタング・マッハEはパフォーマンス志向の電動SUVになる。

◆0〜96km/h加速は5秒台の半ば

マスタング・マッハEには、永久磁石モーターを搭載する。後輪駆動の「スタンダードレンジRWD」仕様の場合、最大出力は266hp、最大トルクは43.8kgmを引き出す。4WDの「スタンダードレンジAWD」仕様の場合、最大出力は266hp、最大トルクは59.2kgmを獲得する。

上位グレードの「エクステンディッドレンジRWD」仕様の場合、最大出力は290hp、最大トルクは43.8kgmを引き出す。4WDの「エクステンディッドレンジAWD」仕様の場合、最大出力は346hp、最大トルクは59.2kgmへ引き上げられる。フォードモーターによると、0〜96km/h加速は5秒台の半ばという。

◆蓄電容量88kWh仕様の航続は最大483km

4WDシステムは、前後の車軸に独立してトルクを分配し、後輪駆動モデルよりも優れた加速とハンドリング性能を追求する。フォードモーターは4WDシステムをチューニングして、トラクション性能や雪などの滑りやすい路面でのコントロール性能を高めた。マスタング・マッハEは、米国ノースカロライナ州にある同社のレーシングシミュレーターにおいて、フォードパフォーマンスチームがチューニングした最初の生産車両になるという。

マスタング・マッハE には、2種類のリチウムイオンバッテリーを用意する。スタンダードレンジRWDとスタンダードレンジAWDは、蓄電容量が68kWhだ。後輪駆動モデルの場合、1回の充電での航続は、最大370kmに到達する。

エクステンディッドレンジRWDとエクステンディッドレンジAWDは、蓄電容量が88kWhに増える。後輪駆動モデルの場合、1回の充電での航続は、最大483kmに到達する。

バッテリーは、車両の床下に配置され、マイナス40度という低温でテストされた。この水冷式バッテリーは、衝撃吸収構造の防水バッテリーケース内に搭載される。

◆10分間で100km走行分のバッテリー容量を急速充電

マスタング・マッハEは、急速充電に対応している。10分間で、およそ100km走行分のバッテリー容量が急速充電できる性能を備える。

また、フォードモーターは、「FordPass」と呼ばれる充電ネットワークを拡大した。1000の充電ステーションと5000個の充電プラグを、全米で追加した。これにより、マスタング・マッハEの顧客は、安心して長距離ドライブに出かけることが可能になるという。

この追加により、「FordPassアプリ」から簡単にアクセスできるFordPassの充電ネットワークの総数は、充電ステーションが1万3500、充電プラグが4万個以上に増えた。フォードモーターによると、北米で最大の電気自動車の公共充電ネットワークにアクセスできるという。

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