日産ルークス新型。緊急時にワンボタンで緊急車の手配もできる「SOSコール」

3月の発売以降、好調な滑り出しを見せている日産『ルークス』。試乗してみると上位車からのダウンサイジングカーとして納得できる多くの理由が見つかった。今回は同じハイト系ワゴンのライバルにはない、安心安全に関する装備についてレポートしたい。

新型ルークスに座ってまず感じるのは、開放感だけでなく安全にもつながる広々とした視界だ。前席の着座位置を高くした上でドライバーの位置を前寄りにしたことがその要因とも言えるが、後席の驚くほどゆったりとした空間を含め、新型ルークスで実現した空間効率の工夫が大きく効いていると言っても過言ではないだろう。

安心と快適性を生み出すプロパイロットが素晴らしい出来だったことは既報したが、見逃せないのはデイズに続いてルークスにも「SOSコール」が搭載されたことだ。これは前席天井に装備された緊急通報システムのことで、「SOS」と記載されたカバーを開けてボタンを押すと自動的にオペレーターセンターにつながるというもの。エアバッグとも連動していて、衝撃を受けてエアバッグが作動した際はセンターに自動的に接続される。

この機能は「緊急自動通報システム(D-Call Net)」にも対応しており、状況に応じてセンターから救急車や警察などへ取り次ぐことも行う。その際には通報と同時に送られてきた位置情報も伝えられ、緊急車はスムーズに現場へ到着できる仕組みだ。しかも、事故などでドライバーからの反応がない場合でもセンターの判断で緊急車を手配できる。一刻も争う事態に陥った時、このサービスは絶大な力を発揮するのは間違いない。

夜間での視界の確保には上位グレードに設定した「アダプティブLEDヘッドライトシステム(AHS)」が役に立つ。これは24個のLEDライトが対向車や先行車を照射しないよう、自動的にハイビームの照射範囲をコントロールするというものだ。言い換えれば、路肩にいる歩行者や自転車などはハイビームで照らしつつ、対向車や先行車に対しては照射をカットするということ。使い方は簡単。ヘッドライト点灯時にハイビームにしておくだけ。あとは他車のヘッドライトを認識して自動的に切り替えてくれる。これによって夜間走行の安心感を生み出すというわけだ。

「インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)」は、真上からの映像を映し出してスムーズな駐車支援を行う機能だ。この表示を一度使うとその便利さに手放せなくなること間違いない。ただ、この表示はルームミラー内とカーナビゲーションのいずれかを選択できるのだが、ルークスのようなルーフが高いクルマではルームミラー内の表示は見にくいことこの上ない。ルームミラーがかなり遠くの位置となってしまい、画面サイズもかなり小さく見えてしまうからだ。

カーナビゲーション上に表示させるには、「OPT」ボタンを押すことでルームミラーからカーナビゲーションへと簡単に切り替えられる。天井が高いルークスの場合、ルームミラーでの表示はむしろ見にくさから周囲への気配りが薄くなりはしないかと心配してしまう。その辺りは実際に試して、自分に合った方を選択するといいだろう。

日産ルークス新型。ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション 日産ルークス新型。前席に座るとその広い視野に驚かされる 日産ルークス新型。「SOSコール」でセンターへ通報するには、蓋を開くと現れるボタンを押すだけ 日産ルークス新型。「SOSコール」のオペレーターの音声はダッシュボード上に専用スピーカーでモニターされる 日産ルークス新型。「SOSコール」のサービス概念図 日産ルークス新型。「アダプティブLEDヘッドライトシステム(AHS)」は12個のLEDで構成される 日産ルークス新型。「アダプティブLEDヘッドライトシステム(AHS)では先行車や対向車を遮蔽しつつ、その周辺はハイビームで照射する 日産ルークス新型。「アダプティブLEDヘッドライトシステム(AHS)」動作時はハイビームの状態で表示される 日産ルークス新型。「アダプティブLEDヘッドライトシステム(AHS)」では対向車を眩惑させることなく、路肩の標識に光を当てていることがわかる 日産ルークス新型。「インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)」。ルームミラーでの表示は画面が小さい上に、ルークスでは遠すぎる 日産ルークス新型。「インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)」をカーナビ上に表示するには「OPT」ボタンを押す 日産ルークス新型。「インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)」をカーナビ上に表示した 日産ルークス新型。メーター内には標識を反映する機能を備えるが、電光表示タイプの標識には対応できないようだ