三菱eKクロス《写真提供 三菱自動車》

総合マーケティングビジネスの富士経済はタッチパネルの世界市場を調査、その結果を『2020 タッチパネル/フレキシブルディスプレイと構成部材市場の将来展望』にまとめた(5月20日発表)。車載ディスプレイは狭額縁化と曲面化のニーズが強く、製品開発が活発化しているという。

富士経済が調べたのはフォルダブル/フレキシブルディスプレイ用静電容量式タッチパネルの世界市場。この市場は、スマートフォン市場が成熟し競争も激化しており、差異化を図る目的で製品開発が活発化しているそうだ。

「フォルダブルディスプレイ用」とは、繰り返し折り曲げての使用(フォルダブル)や丸めての使用(ローラブル)を前提としたディスプレイに搭載される静電容量式タッチパネル。「フレキシブルディスプレイ用」とは、曲げたり丸めたりの柔軟性に優れ、デザイン自由度が高いディスプレイ(フォルダブルディスプレイを除き、湾曲形状およびフラット形状のディスプレイ)に用いられる静電容量式タッチパネルを指す。

富士経済によると、フォルダブルディスプレイ用静電容量式タッチパネル市場規模は、2024年予測で842億円(2019年見込比46.8倍)、フレキシブルディスプレイ用静電容量式タッチパネル市場規模は、3446億円(同67.6%増)。

長らくタッチパネル市場をけん引してきたスマートフォン市場は飽和しており、静電容量式タッチパネル市場の中長期的推移としては、金額ベースで縮小が予想される。一方、フォルダブルディスプレイ用およびフレキシブルディスプレイ用の静電容量式タッチパネルは、フォルダブル、ベゼルレス(狭額縁化)といったディスプレイの差別化により急成長するとみられる。

その中で、自動車に搭載されるディスプレイを対象とする車載ディスプレイ市場規模は、2019年見込が6324億円、2024年予測が8208億円で、2019年見込比129.8%としている。

車載ディスプレイには、センターコンソール部分に配置するセンターインフォメーションディスプレイ(CID)、メーターディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、ミラーディスプレイ、リアシートエンターテインメントディスプレイなどがある。車載ディスプレイは、狭額縁化と曲面化のニーズが強く、異形ディスプレイや曲面ディスプレイの製品開発が活発化している。

富士経済は、2019年は、中国の経済成長率の低下や不安定な世界経済の影響を受け自動車生産台数は減少するものの、車載ディスプレイに対するニーズが強く市場は拡大するとみる。車載ディスプレイの搭載は高級車から大衆車まで幅広く進められており、採用箇所も増加しているため、今後も市場は拡大が続くと富士経済は予想する。

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