◆少し大人っぽいハスラーに進化した
キャッチーなデザインやカラー、想像以上に使える室内と荷室、キビキビとして頼もしい走りで、軽クロスオーバーSUVの枠を超えた「遊べる軽」という唯一無二の存在となった『ハスラー』。
その新型は、6年の歳月を経たなりの時代やトレンドの移り変わりをしっかりと反映し、上質感がありながらタフで安心できる、少し大人っぽいハスラーに進化したと感じる。
ただし、そんな大人のハスラーは室内に入ると大変身。3連のカラーガーニッシュが並ぶインパネなど、初代よりも遊び心が盛りだくさんだ。ガンガン使える道具感的な気軽さはやや薄れたものの、秀逸な収納や快適装備は抜かりなく揃う。収納ではとくに、運転席と助手席の間に、メイクポーチくらいの持ち物やA4書類などが余裕で置けるトレーがあるのがとても便利だ。
◆広大なスペースにびっくり
また、ホイールベースを35mm延ばした分をまるまる室内空間の拡大にあて、前席も後席も広大なスペースにびっくり。運転席ではヒップポイントが7mm下がったことで上下視界の良さもアップし、より安心して運転できると感じる。後席は逆にヒップポイントが5mm上がり、フロアが2mm下がったことで開放感がアップ。座るだけでなく、着替えや休憩、子どものお世話などにもさらに快適な空間になっている。
そして、荷室には初代でも好評だった防汚タイプのフロアが受け継がれ、後席の前後スライドが荷室側からもできるようになったり、ラゲッジアンダーボックスが外して洗えたりと、ますますアクティブに使えるように。アクセサリーも豊富に用意されているので、荷物を積むだけでなくタープを張ってアウトドアのベースとしたり、アイディア次第で自由自在にアレンジできるワクワクもそのままだ。
◆初代に足りなかったものを見極め、しっかり補強した
パワートレーンは、新開発された自然吸気エンジン、ターボエンジンに新開発のCVTが組み合わされ、高出力化されたISG(モーター機能付き発電機)と充放電効率を向上したリチウムイオンバッテリーによるマイルドハイブリッドが全車に搭載。ターボは全域で余裕たっぷりかつ上質感があり、ガッシリと頼もしい走り。自然吸気もターボと遜色ないと感じるほどにパワフルで、よく吹け上がる軽やかな加速フィールが気持ちいい。
どちらも、そうした走りをさらに快適にしているのが、とても座り心地のいいシートだった。これならロングドライブにも出かけてみたくなる。
新型ハスラーは、初代に足りなかったものを見極め、しっかり補強してきたと感じさせた。初代のユーザーが6歳大人になった分以上に、新型ハスラーも成長している。少年の心はそのままに。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト
映画声優、自動車雑誌『ティーポ(Tipo)』編集者を経て、カーライフ・ジャーナリストとして独立。 現在は雑誌、ウェブサイト、ラジオ、トークショーなどに出演・寄稿する他、セーフティ&エコドライブのインストラクターも務める。04年・05年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
【スズキ ハスラー 新型試乗】少年の心はそのままに、大人っぽく成長した…まるも亜希子
2020年04月27日(月) 12時00分
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