
ポルシェは、ドイツで開催した2019年の通期決算発表において、EVスポーツカーの『タイカン』初の派生モデルを、『タイカン・クロスツーリスモ』(Porsche Taycan Cross Turismo)の車名で市販すると発表した。
◆ミッションEクロスツーリスモの市販バージョン
タイカン・クロスツーリスモは2018年春、スイスで開催されたジュネーブモーターショー2018で初公開されたコンセプトカー、『ミッションEクロスツーリスモ』の市販バージョンとなる。タイカン・クロスツーリスモは、タイカンから派生するEVクロスオーバーに位置付けられる。
ミッションEクロスツーリスモでは、オフロード仕様のSUVのスタディモデルを提案していた。ミッションEクロスツーリスモには、2つのパーマネントマネージメントシステムモーター(PSM)を搭載し、最大出力600ps以上を発生する。パワフルなモーターにより、0〜100km/h加速は3.5秒以内、200km/hに到達するまでには要する時間は12秒以内の性能を発揮する。
また、ミッションEクロスツーリスモのボディサイズは、全長が4950mmだ。モーターのパワーは、4輪を駆動する4WDとなる。800Vの急速充電ネットワークに対応しており、素早い充電を可能にした。1回の充電での航続は、最大で500 km(NEDC:新欧州サイクル)を確保する。
◆ドライバーの視線を追跡して作動するディスプレイ
ミッションEクロスツーリスモのハイライトのひとつが、新開発のディスプレイと制御コンセプトだ。ドライバーの視界へ最適に配置されたヘッドアップディスプレイの直感的な操作と情報は、ドライバーを運転に集中させる設計とした。
運転席ディスプレイは、ドライバーの視線を追跡して作動する。仮想の丸形3連メーターで構成されるメーター類は、ポルシェコネクト、パフォーマンス、ドライブ、エネルギー、スポーツクロノのカテゴリーに割り当てられている。
視線追跡システムが、ルームミラーに組み込まれたカメラを使用して、ドライバーが見ているメーターを認識する。ドライバーが関心を寄せるディスプレイを最前面に移動しながら、視線から外れた他のディスプレイを、バックグラウンドに縮小表示する。ディスプレイは、ステアリングホイールのスマートタッチコントロールで操作を行う。
助手席ディスプレイの画面は、助手席側の横一面に広がる。助手席乗員は、視線追跡とタッチテクノロジーによって、メディア、ナビゲーション、空調、連絡先などの機能にアクセスし、各種アプリを操作できる。
センターコンソールのスモールタッチスクリーンは、左右にスワイプすると風量などが調節できる。車両設定、車内の空調、アンビエントライティングの全てが、乗員の好みと走行条件に応じて自動調整される。また、ドライバーは、車両から離れた場所で、さまざまな情報にアクセスして設定を調節することも可能。タブレット、スマートフォン、スマートウォッチで、エアコンからナビゲーションまでの全てのカスタマイズオプションを前もって設定できる。
◆スマホと連携する「ポルシェコネクト」の新アプリ
ミッションEクロスツーリスモには、フルデジタルコックピットを採用していた。メータパネルは、車幅を強調するウイング型の上下セクションで構成。ダッシュボードは、ドライバーと助手席乗員のための超ワイドディスプレイによる水平レイアウトを備える。ドライバー側に湾曲・傾斜する独立したメーター類は、丸形3連メーターで構成されており、TFTディスプレイにデジタル表示される。
さらに、ミッションEクロスツーリスモには、「ポルシェコネクト」の新開発アプリとして、「DestinationsApp」を搭載。このアプリを使用すると、週末の旅行をスマートフォン上のわずか数段階の操作で、スピーディかつ容易に計画できる。このアプリは、旅行の目的地を提案し、予約、ルート計画、レストラン、スポーツ用品の手配なども簡単に行える。










