レクサス UX のタトゥーカー《photo by Lexus》

レクサスの欧州部門は3月18日、コンパクトSUVの『UX』(Lexus UX)をベースに、世界初のタトゥーカーをワンオフで製作した、と発表した。

レクサスは、優れた職人技と日本の伝統的な芸術性を称える目的で、世界初のタトゥーカーを開発した。 レクサスは、英国ロンドンのタトゥーアーティスト、クラウディア・デ・サベ氏と協力。UXをベースに、世界初のタトゥーカーをワンオフで製作した。

ベース車両には、ハイブリッドシステムを搭載する「UX250h」グレードを選択した。UX250hには、直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンエンジンにモーターを組み合わせた新開発のハイブリッドシステムを採用する。モーターによるアシストとエンジン回転数を最適化。燃費性能に加えて、加速フィーリングを追求する。GA-Cプラットフォーム用の4WDシステム、「E-Four」を搭載した。雪道など滑りやすい路面での発進や加速の際やコーナー進入時に、前後輪の駆動力配分をスムーズに制御し、発進や走行安定性を高める。通常の路面では、前輪駆動を選択して燃費性能を向上させる。

◆塗装をドリルで削ってその下の金属に塗料を手塗り

ホワイトのボディカラーのUXをキャンバスに、細い刺青針の代わりにドリルツールを使用して、ボディ全体に鯉を中心に描くデザインに取り組んだ。鯉は、日本の伝統的な芸術でおなじみのモチーフで、幸運と忍耐の資質を表しているという。

サベ氏は、ツールを使用してボディ表面の塗料を削り取り、その下の金属を露出させた。そのうえで、複雑なパターンを、5リットルの自動車用塗料を手塗りすることにより、細部まで描き出した。最後の仕上げには、金箔が使用されており、デザインに強力な3D効果を与えることに成功している。その後、車両全体にタトゥーを保護するラッカーコーティングを施し、公道を走行できるようにした。

◆6か月に及んだ作業の価値は12万ポンド以上

製作の工程では、最初の図面から完成までに6か月を要した。タトゥーは、延べ58時間の集中的な作業で仕上げられた。人にタトゥーを施す場合とは異なり、自動車では作業が進んでも、サベ氏は自由に位置を変えることができない。ドリルの振動もあって、厳しい作業になったという。タトゥーに小さなスリップを加工したり、パターンに色付けしたりする時、ドリルでの彫刻には絶対的な精度が求められた。

このUXは販売される予定はなく、価格は付けられていない。レクサスによると、オーダーメイドの作業には、12万ポンド(約1515万円)以上の価値があると推定されるという。

◆すべてのレクサスに適用される匠の職人技へのオマージュ

なお、サベ氏が人間の皮膚ではなく、金属にタトゥーを施したのは、今回が初めてだった。このユニークな取り組みでは、人にタトゥーを施す時に似ている部分と、新しい課題の両方を発見したという。

サベ氏は、「人にタトゥーを施す時には、皮膚の下の筋肉と組織について考える必要がある。しかし、自動車にタトゥーを施す時には、フレームワーク上でボディワークが形を変える方法について考えた」と語ってる。また、レクサスUXがベース車両としてこのプロジェクトに理想的だった理由は、流線形のボディにあったという。

このプロジェクトは、すべてのレクサスに適用される匠の職人技へのオマージュだ。詳細なデザインと、長年の熱心なトレーニングで身につけられたスキルがあってこそ、実現できた。レクサスUXでも、和紙のような質感を表現したインストルメントパネル上部のオーナメントなどに、レクサス独自の日本の美意識を取り入れるなど、匠の職人技を表現した、としている。

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