日産自動車と新潟大学は、高齢ドライバーの安全走行を促進・啓発する「ハンドルぐるぐる体操」を制作した。
今回発表したハンドルぐるぐる体操は、新潟大学が取りまとめた高齢者約2000人の運動機能データに基づき、クルマの走行実験による知見も使いながら、高齢ドライバーが簡単で楽しく実践できる体操として制作。高齢ドライバーだけでなく、運動不足がちな人にも勧められるもので、高齢者がその家族や地域住民と一緒に励ましあい、楽しめる運動となっている。
ハンドルぐるぐる体操は、血流を良くする「リフレッシュ」、少しハードな「筋力アップ」、脳を刺激する「認知力アップ」の3つを用意。どれも覚えやすいように、3秒間4カウントで完結するリズミカルな動きの繰り返しで構成されている。
リフレッシュは、ハンドルを持ち、肩を伸ばして引いて、片脚を前に出して体を前かがみにして伸ばし、最後に体をひねる運動だ。背筋と脚の筋肉を伸縮することで血流を良くして筋肉を活性化。運転前の体慣らしや、運転の合間の疲労軽減に効果が期待できる。
筋力アップは、ハンドルを持ち、脚を前に伸ばしてバンザイしながら腰を下げて止める、脚を横に伸ばしてハンドル切りながら腰を下げて止める、という運動。ゆっくり大きな動きをすることで、肩と腰から太ももの筋肉を鍛え、運転姿勢が前かがみになるのを予防する。
認知力アップは、ハンドルを回しながら首を左右に振り、脚を伸ばす運動。昨今介護や転倒予防に取り入れられている手法として、ゲーム性のあるミラーバージョン(鏡動き)もある。手と首と脚の別々の動きを組み合せることで、脳に刺激を与え、認知力アップが期待できる。
これらの体操は、クルマの運転前や時間がある時など、いつでもどこでも、ハンドルを持たずに行うことも可能。また、テレビや音楽を楽しみながら座ったままの姿勢でも、一定の効果が期待できる。
新潟市と出雲崎町では、すでにこのハンドルぐるぐる体操が高齢者や保育園児に実践されており、好評を得ている。また高齢者と保育園児が一緒になってオンリーワンのハンドルを作るワークショップも開始。今後は体操を広めながら、約1年をかけて複数地域、数百名の規模で効果や定着の検証を行うとともに、全国への普及も図っていく予定だ。
高齢ドライバーの安全走行を促進・啓発する体操、日産と新潟大学が共同制作
2020年03月21日(土) 15時30分
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