日産自動車臨時株主総会(2月18日)《写真 日産自動車》

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

「業績の改善が見えなくなった場合は、私をクビにしてください」---。経営再建への道筋が不透明のなか、昨年12月に就任したばかりの内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)にとっては”洗礼”となった日産自動車の臨時株主総会。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて出席した株主は666人と少なめだったが、株主からは業績悪化や株価下落、さらに期末無配当などに対する厳しい批判やヤジが飛び交った。なかには、安倍首相の言葉を借りれば「意味のない」ような質問も浴びせられたが、議長をつとめた内田社長は平身低頭で「重く受け止めている」と陳謝を繰り返し、覚悟を決めて捨て身で臨んでいたのが印象的だった。

約2時間40分に及んだ日産の臨時株主総会の様子は、きょうの各紙にも詳しく取り上げている。このうち、読売は「日産新体制悲壮な決意、内田社長業績改善『クビ』覚悟」とのタイトルで、「内田氏は、株主に向け、日産の業績が改善しなければ『すぐにクビにしてください』などと悲壮な決意を示したが、経営再建への道筋はなお不透明だ。中期経営計画や追加のリストラ策を公表する5月に向け、正念場が続く」と報じている。

朝日も「日産新体制多難な船出」として「業績悪化に歯止めがかからない中、経営陣の責任を問う厳しい声が株主から相次いだ」と伝えている。東京や産経も「日産新体制批判相次ぐ」と同様な見出し。

また、日経は「再建が進まなければ、筆頭株主の仏ルノーが経営に関与を強める可能性もある」とも。いずれにしても、株主には「もう少し時間をいただきたい」と理解を求めた内田新体制だが、短命で終わるかどうかは500円を下回る情けない株価をどこまで回復させられるかが大きな判断材料となるだろう。

2020年2月19日付

●新型肺炎、クルーズ客きょう下船、検査陰性の500人(読売・1面)

●日産新体制悲壮な決意、内田新社長業績改善「クビ」覚悟(読売・8面)

●日本のブランド、1位はトヨタ(朝日・6面)

●ホンダの四輪開発4月に本体へ移管、体制発表、技研は大幅縮小(朝日・7面)

●新型肺炎感染を警戒、相次ぐ自粛、主催者苦悩(産経・1面)

●欧州新車販売、1月7.6%減(日経・15面)

●オペル、日本再参入、来年、15年ぶり中国市場も視野(日経・15面)

日産自動車臨時株主総会(2月18日)《写真 日産自動車》 日産自動車臨時株主総会(2月18日)《写真 日産自動車》 オペル日本再上陸《撮影 高木啓》