ホンダ・フィット初代(200年)《写真 ホンダ》

ホンダは、コンパクトカー『フィット』の4代目となる新型を2020年2月14日に発売した。新型は、歴代フィットが築き上げた優れた性能・機能をベースに、数値では表せない価値「4つの心地よさ」を提案する。

◆初代 2001年6月

初代フィットはブランニューのスモールカーとして2001年6月22日に発売された。スペース効率に優れたグローバル・スモールプラットフォームをベースに、燃焼効率を高めた新開発「i−DSI」エンジン(1.3リットル)を搭載し、広い室内空間、多彩なシートアレンジ、斬新なスタイリング、低燃費=23km/リットルなどが特徴だ。

『ロゴ』の後継にもなるが、「新しい価値を創造した」として車名が変わった。2002年12月20日には、車体後部にトランクルームを設けたノッチバックセダンの『フィットアリア』が追加された。

2002年以降、日産『マーチ』新型、トヨタ『ist』(イスト)といったライバルが登場するなかフィットは、2002年暦年(1〜12月)に国内販売台数が25万0790台となり、登録車1位になった。ホンダの登録車が1位となったのは初めてだ。2002年度(2002年4月〜2003年3月)では26万1420台を販売し、年度の累計販売台数でも初めて1位となった。2007年6月末には世界累計販売台数が200万台を達成した。

◆2代 2007年10月

フィットの初めてフルモデルチェンジは2007年10月26日に発売、激戦のスモールセグメントに投入された。福井威夫社長(当時)は18日の発表会で「ホンダのスモールカーは、その時代のもてる技術を凝縮し、MM思想=マン・マキシマム/メカ・ミニマムの考え方でユーザーに新たな価値を提供してきた。MM思想はホンダの歴史」と解説した。

モデルチェンジ後の2007年12月には、フィットの国内販売累計台数が100万台を超えた。2001年6月の発売から6年6カ月(78カ月目)で、1997年4月発売の『ライフ』の79カ月目を上回り、当時のホンダとして最速となった。後に2011年12月発売の『N-BOX』が5年(60カ月目)で突破し、フィットを上回り最速となっている。

フィットの2007年度(2007年4月〜2008年3月)の販売台数は14万8253台となり、国内の登録車販売において1位になった。フィットの年度1位は2002年度以来2回目である。さらに2008年暦年(1〜12月)の販売台数は17万4910台となり、登録車販売において1位となった。登録車の年間1位も2002年以来2回目だ。

◆ハイブリッド追加 2010年10月

ホンダはフィットをマイナーモデルチェンジするとともに、『フィットハイブリッド』を追加し、2010年10月08日に発売した。ハイブリッド用バッテリーなどを荷室下に収めることで、フィットならではの居住性やシートアレンジといった特長をそのままに、30km/リットルの燃費性能を実現した。

価格は159万円(消費税5%含む)から。伊東孝紳社長(当時)はこの価格について「頑張っているが、損をしてまではやらないし、損はしていない」と述べ、収益も十分確保できる価格設定ができたとした。

◆フィットシャトル派生 2011年6月

ホンダは、5ナンバーサイズのボディでありながら大容量のラゲッジスペース、優れた燃費性能などを実現したワゴンスタイルの新型コンパクトカー『フィットシャトル』を2011年6月16日に発売した。フィット(ハッチバック)で構築した高効率のパッケージングを核に、広さ、使いやすさ、経済性、上質感を実現したという。

「シャトル」は、かつて『シビック』のワゴンボディに使われていたサブネームだ。シビックの上級化・大型化にともない、同じポジションにいるフィットで使用されるようになったと考えられる。フィットのハッチバックは2013年にフルモデルチェンジされるが、フィットシャトルのフルモデルチェンジは2015年5月となり、その際に『シャトル』の独立車名となる。

◆EV 2012年8月

ホンダは電気自動車(EV)の可能性を追求した『フィットEV』を2012年8月31日に発売した。JC08モードの交流電力量消費率(電費)で106Wh/km、一充電の走行距離225kmという、当時世界最高の電費性能だった。フィットEVは自治体や企業に向け、リース販売された。

フィットシリーズの国内での累計販売台数は、2013年3月末時点で200万台を超えた。初代発売以来142カ月目で、ホンダとして最速記録となった。

◆3代目 2013年9月

3代目フィットは2013年9月6日に発売された。コンパクトカーの概念を刷新した初代フィットの設計思想を継承しながら、パワートレインと車体を完全新設計し、居住性、燃費性能、デザイン、走りを進化させた。

ハイブリッド車は、シンプルな1モーターシステムでありながらEV発進を可能にした新ハイブリッドシステム「SPORT HYBRID(スポーツ ハイブリッド) i-DCD」を搭載。走行状況に応じて、EV、ハイブリッド、エンジンの3つの走行モードの中から効率の良いモードを自動的に選択することで、36.4km/リットル(JC08モード)という国内最高の低燃費を実現した。

フィット派生のノッチバックセダンは、2代目では日本国内向けには設定されなかった。3代目フィットでは『グレイス』が設定されて2014年12月1日に発売されたものの、フィットは名乗らず、独立した車種となった。

ホンダ・フィット初代(200年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット初代(200年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット初代(200年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット初代(200年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット初代(200年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィットアリア(2002年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット2代目と福井社長(2007年当時)《撮影 編集部》 ホンダ・フィット2代目(2007年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット2代目(2007年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット2代目(2007年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット2代目(2007年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット2代目(2007年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット2代目(2007年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット2代目(2007年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィットハイブリッドと伊東社長(2010年当時《写真 編集部》 ホンダ・フィットハイブリッド(2010年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィットハイブリッド(2010年)《撮影 野口岳彦》 ホンダ・フィットハイブリッド(2010年)《撮影 野口岳彦》 ホンダ・フィット(2代目)とフィットシャトル(2011年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィットシャトル(2011年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィットシャトル(2011年)《撮影 宮崎壮人》 ホンダ・フィットシャトル(2011年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィットシャトル(2011年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィットシャトル(2011年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィットシャトル(2011年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィットEV(2012年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィットEV(2012年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィットEV(2012年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィットEV(2012年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット3代目と伊東社長(2013年)《撮影 土屋篤司》 ホンダ・フィット3代目(2013年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット3代目(2013年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット3代目(2013年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット3代目(2013年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット3代目(RS、2013年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット3代目(RS、2013年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット3代目(RS、2013年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット3代目(RS、2013年)《写真 ホンダ》 ホンダ・フィット4代目(東京モーターショー2019)《写真 ホンダ》