気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………
米中貿易摩擦や次世代新技術分野の取り組みに加え、新型コロナウイルス肺炎の感染拡大による影響など、業界を取り巻く環境に不透明感が覆う中、自動車大手の労働組合が、経営側に春闘の要求書を提出し、2020年の労使交渉がスタートした。
きょうの各紙も「各社の要求額」の一覧表を添えて取り上げているが、令和という新しい時代を迎えた中で春闘交渉のスタイルの変化がわかるような内容だ。例えば、読売は「賃上げ要求成果重視、ベア原資評価で配分」として、「賃上げ」といっても「内訳を見るとさまざまな違いがある」と指摘。従来の横並びの慣行を見直し「仕事の成果などを重視する傾向が強まっている」と伝えている。
こうした中、毎日は「ベア額非公表拡大」との大きなタイトルで「全従業員の賃金水準を引き上げるベースアップ(ベア)について、トヨタ自動車とマツダは昨年に続いて具体的な額を示さず、SUBARU(スバル)も具体額を公表しなかった」と報じた。昨年、トヨタは資本提携するスバルに対し、追加出資して絆を深めたが、労組まで「右に倣う」というのも興味深い。
また、朝日は「春闘『統一交渉』退潮、自動車労組『総額要求』広がる」。日経も「スバル、ベア額示さず、車8社半数が総額で」との見出しで、「日産自動車も賃上げ総額の原資だけを求めており、ベアに絞った要求をしない組合が半数を占めた」と取り上けている。
その日産はきょう13日午後から内田誠社長が出席し、決算内容を発表するが、読売によると「2019年10〜12月期連結決算で、業績が大幅に悪化することが、わかった」と報じている。営業利益が赤字に転落する恐れがあり、業績予想も下方修正する方向で検討に入ったとも伝えており、気になるところだ。
2020年2月13日付
●新型肺炎、クルーズ船検疫官感染、帰国第一便197人陰性、帰宅へ(読売・1面)
●ソフトバンクG営業赤字、4〜12月期129億円、ファンド不振続く(読売・1面)
●日産、営業赤字の恐れ、19年10〜12月期(読売・2面)
●新型「フィット」発売、ホンダ、品質確認で遅れ(読売・7面)
●ゴーン前会長に100億円請求、日産、損害賠償求め提訴(朝日・1面)
●春闘「統一交渉」退潮、自動車労組「総額要求」広がる(朝日・3面)
●空飛ぶ車タッグ、JAL、住商、米航空メーカー(毎日・7面)
●浙江省渡航者の入国拒否、日系企業不安拡大(東京・3面)
●中国就航の国際線67%減、観光・高額消費に打撃(日経・1面)
●自動運転向け立体駐車、IHI、入り口で乗り捨てOK(日経・12面)
●ダイムラー覆う「三重苦」利益率の低下止まらず(日経・13面)
●完成車工場の操業一時停止、日産車体が方針(日経・13面)
●ヤマハ発、純利益19%減、前期、産業機械の需要減(日経・15面)
●五輪の渋滞対策、カーナビが乱す? 値上げ首都高に誘導の恐れ(日経・42面)
春闘2020---トヨタに寄り添うスバルもベア額「非公表」[新聞ウォッチ]
2020年02月13日(木) 09時30分
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