メルセデスAMGプロジェクトワン《photo by Mercedes-Benz》

メルセデスベンツの高性能車部門のメルセデスAMGは12月6日、メルセデスAMG『プロジェクトワン』(Mercedes-AMG Project ONE)の最新の開発プロトタイプ車の映像を公開した。F1ドライバーのルイス・ハミルトン選手が、開発現場を訪れる様子を紹介している。

メルセデスAMGプロジェクトワンは、メルセデスAMGの創業50周年を記念して、F1技術を搭載した公道走行可能なハイパーカーとして、市販を目指しているモデルだ。

◆F1マシン譲りの1.6リットルV6ターボ

メルセデスAMGプロジェクト ワンのパワートレインでは、F1マシン譲りの1.6リットルV型6気筒ガソリンターボエンジンをミッドシップに搭載する。ピストンやクランクシャフト、電装システムが専用設計となり、エンジンは1万1000rpmと非常に高回転まで回るのが特長だ。最大出力は680hp以上を発生する。

この1.6リットルV型6気筒ターボエンジンに、フロント2個(163hp×2個)、ターボチャージャーとエンジンにそれぞれ1個の合計4個のモーターを組み合わせたハイブリッドとし、加速時などにエンジンのパワーをアシストする。ハイブリッドパワートレインは、システム全体で1000hp以上のパワーを引き出す。

トランスミッションは8速の「AMGスピードシフト8」で、駆動方式は4WDだ。メルセデスAMGプロジェクトワンは、0〜200km/h加速6秒以下、最高速350km/h以上の優れたパフォーマンスを可能にする。

◆EVモードは最大25km

二次電池はリチウムイオンバッテリーで、F1のテクノロジーを導入する。バッテリーセルとその配置、冷却システムは、メルセデスAMGペトロナスのF1マシンと同じものを使用する。リチウムイオンバッテリー、12 Vの車載電気システム向けのDC/DCコンバーターは、フロントアクスル後方の車両フロアにコンパクトに搭載される。

高電圧の「EQ Power +」プラグインハイブリッド(PHV)システムは、通常の400ボルトではなく800ボルトで作動する。電圧レベルが高いため、ケーブルの直径を縮小し、それに応じてスペースと重量を節約した。

走行モードは、EVモードからラップタイムを追求するダイナミックモードまで、複数のモードを用意する。EVモードでは最初、フロントの電気モーターだけで駆動し、加速をサポートする。ドライバーがアクセルをより深く踏み込むと、V6エンジンが始動する。レーススタート機能を使用すると、さらに加速性能が引き上げられる。EVモードでは、最大で25kmのゼロエミッション走行が可能だ。

◆サーキットの特性に合わせて調整可能なサスペンション

サスペンションは前後マルチリンクで、サーキットの特性に合わせて調整可能とした。ABSは標準装備で、ESPは3段階で調整できる。 ESPの「SPORT」はハンドリングモードで、システムが介入する前に、より大きなヨーアングルを可能にする。

専用のセンターロック付き10本スポーク鍛造アルミホイールは、カーボンファイバー製のセミカバーが付き、ホイール周辺の空気の流れを最適化する。スポーク部分には3つの換気スロットがあり、ブレーキの熱を放出する。セラミックブレーキシステムを装備している。

インテリアには、2つの高解像度10インチディスプレイを採用した。F1スタイルのステアリングホイールは、上部と下部がフラットなデザインだ。走行モードやサスペンションの設定、LEDシフトディスプレイなどの調整機能が付く。ルームミラーは、カメラの「ミラーカム」からのリアルタイム映像を表示するスクリーンに置き換えられている。

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