メルセデスベンツは、11月22日に中国で開幕する広州モーターショー2019に、コンセプトカーの『ヴィジョンEQS』(Mercedes-Benz VISION EQS)を出展すると発表した。
「EQ」は、メルセデスベンツが立ち上げた電動車に特化したサブブランドだ。EQブランドの最初の市販車として登場したEVが、SUVの『EQC』となる。EQブランドの市販第2弾は、ミニバンの『Vクラス』ベースの『EQV』だ。
メルセデスベンツのヴィジョンEQSは、EQブランド初のセダンコンセプトカーだ。「EQS」の「S」は、『Sクラス』を意味しており、将来の大型の電動高級サルーンを提示している。
◆ラグジュアリーヨットに着想を得たインテリア
ヴィジョンEQSには、世界初の188個のLEDで構成されるデジタルフロントグリルを装備した。ヘッドランプには、2つのホログラフィックレンズモジュールを備えた「デジタルライト」を採用する。メルセデスベンツによると将来、ほぼ無制限の数の照明バリエーションを可能にするという。リアには、229個の光る星で構成されたライトベルトを採用し、ブランドのロゴを従来にない新しい方法で輝かせる。
インテリアは、ラグジュアリーヨットの世界からインスピレーションを得ている。未来的なデザインで、コンパクトなステアリングホイールや大型ディスプレイモニターが特長だ。両側のドアにも、ディスプレイモニターが装備される。また、シートは独立4シーターで、フローティング構造のセンターコンソールが、前後を貫くデザインを採用している。
インテリアの素材には、クリスタルホワイトの「DINAMICA」マイクロファイバーやメープルトリムを採用した。これは、リサイクルされたペットボトルから作られている。人工レザーも使用されており、ナッパレザーのような微細な表面仕上げとした。ルーフライナーに使用される素材は、特別なプロジェクトから生まれたものだ。海洋廃棄物プラスチックからリサイクルされた素材を用いて、新たなレベルの持続可能な素材を提示している。
◆最新のデジタルコックピット
大型ディスプレイモニターは、センターコンソールから浮かび上がるように見える。車両の各種機能は、ディスプレイのタッチコントロールで操作できるようにした。運転席と助手席のドア部分にも、ディスプレイをレイアウトする。将来的には、助手席の乗員も、「Mercedes me ID」を入力することができるようになるという。
マンマシンインターフェースを構成するのは、ディスプレイだけではない。室内全体に配された「アンビエントライトバンド」は、室内の乗員の着座位置情報によって通信できるコネクテッドライトだ。車内に特別な照明ムードを作り出したり、乗員に情報を伝えたりすることができる。
◆ツインモーターは476hp
ヴィジョンEQSのEVパワートレインは、前後アクスルにモーターを搭載し、4輪を駆動する4WDとなる。2個のモーターは、最大出力476hp、最大トルク77.5kgmを引き出す。強力なモーターは、0〜100km/h加速4.5秒、最高速200km/hの性能を発揮する。
バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は100kWhと大容量だ。この効果で、1回の充電での航続は、最大700km(WLTPモード)の性能を備える。出力350kWの急速チャージャーに対応しており、バッテリーの8割の容量を、およそ20分で充電できる。
メルセデスベンツの新世代EV 「EQ」、初のセダン『EQS』…広州モーターショー2019に出展へ
2019年11月19日(火) 14時45分
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