GRスープラ3000GTコンセプト(SEMA 2019)《撮影 山本シンヤ》

ラスベガスで開催されるアメリカ最大級のアフターパーツショー「SEMAショー」で、トヨタは9台のカスタムされた新型『スープラ』をお披露目。その中でも注目はトヨタテクノクラフト、ジェータックス、トヨタモデリスタインターナショナル3社が統合した新会社、TCD(トヨタ・カスタマイジング&デベロップメント)が独自で企画・開発を行なった『GRスープラ3000GTコンセプト』だ。

このモデル名は、1994年に4代目(A80系)スープラ用にトヨタテクノクラフトのTRD部門が開発した、全日本GT選手権(現SUPER GT)のレーシングカーと同デザインのワイドボディキットを装着した、伝説のコンプリートモデル『TRD3000GT』の後継モデルを意味している。

このボディキットは単なるドレスアップではなく、空気の力を味方にして「操縦安定性を引き上げる」、「冷却性を引き上げる」という機能が盛り込まれたパフォーマンスパーツだ。このあたりはTCDのTRD部門がこれまでモータースポーツ活動で培ってきた開発・解析の知見が活かされている。

TRD3000GTをオマージュしたボディカラー「ブラッシュドシルバー」に塗られたエクステリアは、フロントに大型化されたフロントスポイラーとTRD3000GTの特徴の一つである4つのスリット入りのエアロボンネットを装着。サイドはフロント/リアフェンダーは大径タイヤを収めるためにオーバーフェンダーをプラス。本来のフェンダー部もオーバーフェンダーとの繋がりを考え形状変更されており、迫力がありながらもスマートな形状に仕上がっている。サイドスカート/リアアンダースカートは発売中の用品アイテムを水平展開するも、オーバーフェンダー化に合わせた取り付け部の変更で張り出し感をアップ。リアはエアロボンネットと共にTRD3000GTのイメージを受け継いだデザインの大型ウイングを装着。

ノーマルの良さを活かしながらも迫力あるボディワークを手に入れたボディキットは、どことなく4代目スープラの匂いを感じさせる部分がある。この辺りの微妙なさじ加減はトヨタ車を最も身近な部分で知るTCDならでは……、と言える部分だろう。

今回お披露目されたモデルはボディキットに加えて、様々なサードパーティの協力による機能パーツもプラス。パワートレイン(直列6気筒3.0リットルターボ+8速AT)はノーマルだが、エキゾーストは専用スペックのHKSカスタムエキゾーストを装着。フットワークはタイヤ&ホイールがTOYOプロクセスR888R(フロント:265/30R19、リア:285/35R19)とTWS RS317(鍛造)の組み合わせ。サスペンションは専用スペックのテイン・カスタムストリートアドバンスZ、ブレーキはフロントにブレンボ・モノブロックブレーキキット(6ピストンキャリパー&380mm2ピースローター)が奢られる。インテリアはエクステリアに比べると控えめだが、運転席/助手席にブリッドのXerro CS、オーディオはパイオニアのスピーカーシステムを装着。

現時点ではあくまでも提案の一つだが、フィッティングの良さやパーツの精度などを含めいつでも市販化できそうなクオリティだ。TCD関係者に話を聞くと「まずは北米での発売を検討しています。日本での販売は現時点では未定ですが、反響が高ければ検討の余地はあります」と語っている。その時には「TRDパーツ」なのか? それとも「GRパーツ」なのか? 非常に気になる所である。個人的にはコンプリートカーとして発売するからには、ボディキットだけでなく、パフォーマンスの部分に関してもTCDの技術や知見を活かしたモディファイを期待したい。

GRスープラ3000GTコンセプト(SEMA 2019)《撮影 山本シンヤ》 GRスープラ3000GTコンセプト(SEMA 2019)《撮影 山本シンヤ》 GRスープラ3000GTコンセプト(SEMA 2019)《撮影 山本シンヤ》 GRスープラ3000GTコンセプト(SEMA 2019)《撮影 山本シンヤ》 GRスープラ3000GTコンセプト(SEMA 2019)《撮影 山本シンヤ》 GRスープラ3000GTコンセプト(SEMA 2019)《撮影 山本シンヤ》 GRスープラ3000GTコンセプト(SEMA 2019)《撮影 山本シンヤ》 GRスープラ3000GTコンセプト(SEMA 2019)《撮影 山本シンヤ》 GRスープラ3000GTコンセプト(SEMA 2019)《撮影 山本シンヤ》 GRスープラ3000GTコンセプト(SEMA 2019)《撮影 山本シンヤ》 GRスープラ3000GTコンセプト(SEMA 2019)《撮影 山本シンヤ》 GRスープラ3000GTコンセプト(SEMA 2019)《撮影 山本シンヤ》