ホンダ NSX 、市販車とレーサーが対決…類似点と相違点は?[動画]《photo by Acura》

ホンダの海外向け高級車ブランド、アキュラは7月10日、『NSX』(Acura NSX)の「ロードカーvsレーシングカー」と題する映像を、公式サイトで公開した。

◆市販車とレーシングカーで部品の約80%を共用

ロードカー(市販車)のNSXの2019年モデルでは、シャシーのコンポーネント、タイヤ、ソフトウェアのチューニングを変更し、ドライバーの狙いにさらに忠実に反応し、毎日の運転からサーキットまで、あらゆる状況でパフォーマンスを引き上げた。限界時には、バランスやコントロール性が向上。微妙なアクセル操作により、より正確にアンダーステアやオーバステアを調整することができるという。

シャシーの強化では、前後のスタビライザーバー(前側26%、後側19%の剛性アップ)と、トーリンクブッシュの剛性を21%、リアハブの剛性を6%向上。スポーツハイブリッド「SH-AWD」パワーユニット、アクティブ磁気ダンパー、電動パワーステアリング、VSAのソフトウェアも改良を受けた。米国仕様の場合、NSX専用に新開発されたコンチネンタル「スポーツコンタクト6」タイヤを装着。トレッドパターン、構造、ゴムコンパウンドを見直し、毎日の通勤から雨天走行、サーキットまで、あらゆる状況でハンドリング性能を高める。

◆市販車はハイブリッドシステム全体で573hpを獲得

軽量ボディのミッドシップに、直噴3.5リットル(3493cc)V型6気筒ツインターボエンジンを搭載する。高効率・高出力の3モーターハイブリッドシステム、「スポーツハイブリッド SH-AWD」を採用。フロントにモーターを2個、リアに9速デュアルクラッチトランスミッションと一体設計する形で1個、合計3個のモーターをレイアウトした。前輪の左右を独立した2つのモーターを使い、四輪の駆動力を自在に制御するトルクベクタリングを可能にする電動式4WDハイブリッドとなる。

米国仕様車のスペックは、エンジンの最大出力が500hp/6500-7500rpm、最大トルクが56.1kgm/2000-6000rpm。モーターの最大出力が73hp。システム全体で573hpのパワーと、65.8kgmのトルクを獲得している。

◆レーシングカーは非ハイブリッドで550hp

一方、レーシングカーの『NSX GT3 エボ』は、市販車のNSXをベースに、FIA(国際自動車連盟)のGT3レギュレーションに適合させたレーシングカーだ。ミッドシップには、市販車のNSXと同じ3.5リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載した。エンジンブロック、ヘッド、バルブトレイン、クランクシャフト、ピストン、ドライサンプオイル潤滑システムは、市販車から流用する。トランスミッションは、6速シーケンシャルだ。

NSX GT3 エボと市販車との最大の違いは、ハイブリッドシステムが搭載されない点だ。エンジンのパワーだけが後輪を駆動するMR(ミッドシップ・リアドライブ)車となり、市販車のNSXの特徴である前/後輪へのモーターパワーのアシストはない。これは、FIAのGT3レギュレーションが、ハイブリッドと4WDを禁止しているためだ。3.5リットルV型6気筒ツインターボエンジンは、最大出力550hp、最大トルク65.7kgmを引き出す。

アキュラが今回公開した映像「ロードカーvsレーシングカー」は、構成部品の約80%を共有する両車の類似点と相違点を浮き彫りにするのが狙いだ。NSX GT3 エボを駆り、IMSAウェザーテックスポーツカー選手権のGTDクラスで現在、ドライバーズポイントランキング首位のトレント・ハインドマン選手が、サーキットテストでその答えを導き出している。

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