ヤンマーが今回初披露した「EX38FB」《撮影 山田清志》

ヤンマーのグループ会社、ヤンマー舶用システムは3月7日にパシフィコ横浜で開幕した「ジャパンインターナショナルボートショー」に出展。「EX38FB」「EX34-HT」「EX30B」「FX24EZ」の4艇を展示した。

そのなかで同社営業統括部の関係者が、今回の目玉として指し示したのが「EX38FB」だ。2015年に発売された人気モデルEX38のフライングブリッジ仕様で、今回が初披露。「釣りもでき、クルージングも快適にできる“フィッシングクルーザー”」とのことだ。漁船や釣り船に強みを持つヤンマーが、これまで培ってノウハウをふんだんに取り入れたクルーザーというわけだ。

「コントロールしやすいことが特徴で、思っていたところに留まり続けることが簡単にできので、釣りが非常にしやすいようになっている」(営業統括部の関係者)という。帆を広げると、風上に船を戻す力が働き、波を横から受けないようになっているそうだ。

また、船底を独特な形状にすることによって、38フィート艇でありながら40フィート艇並みの航走性能を実現し、1クラス上の乗り心地が味わえることも特徴だ。船内も広く、特にトイレは女性目線を意識し、清潔で広くしている。

デッキは多彩な釣りに対応できるように広いスペースを確保し、スパンカーやファイティングチェアなどの取り付けもしやすいようなっている。文字通り、釣りをする人のことを考えた最適なクルーザーと言っていいだろう。

エンジンは信頼性と耐久性があり、低燃費と低エミッションが特長のディーゼルエンジン「6CXBS-GT」を船体中央の床下に搭載し、防音構造によりクラス最高の低騒音を実現している。495馬力でエアコンや油圧系の電力などの発電も行っている。価格は3337万円だ。

そのほか「EX34-HT」は「次世代フィッシングクルーザー」を開発コンセプトに、ヤンマーの最新技術を随所に盛り込んだモデル「EX34」のハードトップ仕様で、価格は2532万円。「EX30B」は北欧のトローラータイプフィッシングボートをイメージした独創的なフォルムと、防音二重構造で静音性に優れた人気モデルで、価格は1824万円。「FX24EZ」は走航性能・釣り機能・快適性を高い次元で実現したフィッシングボートで、価格は603万円。今回展示したものはその特別艤装艇で、充実した釣り装備を追加したものだ。

どれも釣りに強みを持つヤンマーならではのボートで、購入者の多くは釣りの愛好家とのこと。「仮に釣り好きの人が1隻目に他社のボートを買っても、2隻目を購入するときはヤンマーのものを選ぶことが多い」と営業統括部の関係者は話していた。

「EX38FB」の操船席《撮影 山田清志》 「EX38FB」のバウバース。大人3人が横になれるほど広い《撮影 山田清志》 「EX38FB」のトイレルーム《撮影 山田清志》 船体中央の床下に収納された「EX38FB」のディーゼルエンジン《撮影 山田清志》 独特の形状をした「EX38FB」の船底《撮影 山田清志》 ヤンマーのブース。左が「EX30B」で、右が「EX34-HT」《撮影 山田清志》