メルセデスベンツ Cクラス 新型(C180カブリオレ)《撮影 中野英幸》

◆新型Cクラス、4種のパワートレインに試乗

数多くのモデルを用意するメルセデスベンツのラインアップのなかで、FR系のベーシックモデルとなるのが『Cクラス』。

現行モデルはCクラスとしては4代目、その元祖となる190シリーズから数えれば5代目に当たるモデルだ。2014年に登場した現行モデルは2018年に大幅な変更を受けた。その変更箇所は構成部品の約半分にも上る6500か所で、日本に導入される6種のパワートレインのうち2機種は新型、1機種はパワーアップされている。

試乗したモデルは390馬力のV6・3リットルを積む『AMG C43』、150馬力の直4・1.6リットルを積む『C180』、1.5リットル+BSG(モーターアシスト)の『C200』、2リットルディーゼルの『C220d』の計4モデル。

◆パワフルなC43、ACCとのマッチングがいいC220d


4つのエンジンを比べるともちろんC43のパワフルさが格別なフィーリングだ。駆動方式が4WDのため安定感があり、安心してアクセルを踏んでいける。4WDといってもトルク配分は前が31%、リヤが69%とかなりリヤよりなので、ハンドリングもスマートなものとなっている。

2リットルディーゼルエンジンは、ディーゼルエンジンらしさにあふれる力強いフィーリングで、長距離ドライブを楽しむにはピッタリといったもの。ディーゼルエンジンの魅力はその力強い加速感やリーズナブルな燃料費などはもちろんだが、トルク変動の少なさも大きな魅力。

今や、ACCを作動させて走るのがあたり前の時代で、速度を維持するのが簡単だと思われがちだが、それでもディーゼルのトルクの安定ぶりはガソリンに比べて格段に高く、ACCとのマッチングがいいのだ。

◆ベーシックモデルの良さは、さすが


ベーシックタイプのエンジンは2種用意される。1つは1.6リットルのガソリン、もう1つは1.5リットルのガソリンにBSGと呼ばれるモーターアシストが付いたものだ。BSGはベルトドリブン・スターター・ジェネレーターと呼ばれるもので、スズキのISGのように大型化された発電機をモーターアシスト&回生に使うもの。ただし12Vの補機用バッテリーではなく、48Vのリチウムイオンを使いマイルドハイブリッドを構成している。

エンジンの苦手な部分をBSGがカバーするシステムなのだが、まだどうしてもマッチングしきれていない印象で、シンプルな1.6リットルガソリンエンジンが一番Cクラスらしいベーシックなフィーリングを示してくれた。

ものすごく普通のクルマとなるのがC180なのだが、ものすごく普通のクルマをものすごく高いレベルで成立させているところがさすがメルセデスと感心させられる部分。ただし、価格はもっともベーシックなC180(受注生産)で449万円、その上のC180アバンギャルドだと489万円。いいものを手に入れるためにはそれなりのコストも必要だ。



■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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