ホンダ レブル250《撮影 ダン・アオキ》

16歳の誕生日と共に原付免許を取り、でも、20代はクルマに夢中。アラサーでリターンライダーになるも、40代は仕事に忙殺される。そしてアラフィフで2輪に再々入門。そんな浦島ライダーが、最新のバイクをチェックしていきます!

◆シート高だけでも勝ったも同然

背が高い人の目には、ちょっと滑稽に映るかもしれません。身長に難があるライダー(含む自分)が、バイクの「シート高」にやたらとこだわるさまは。

690mm。ホンダ『レブル250 ABS』のシート高です。いや、素晴らしい。その数値だけで勝ったも同然!?……というのは(半分)冗談ですが、細身のアメリカンといった風情のレブルに跨がってみると、身長165cmの短足ライダーでも両足がべったり踵まで地面に付いて、しかも膝あたりにまだ余裕が残る!この感動、ノッポの貴方にも、伝えてあげたい……。

レブルと聞くと、”ちょっと古い”バイク乗りの人なら、ホンダ『マグナ』やヤマハ『ビラーゴ』といった名前と共に、初代を懐かしく思い出すかもしれません。1980年代には、和製アメリカン、というかクルーザータイプのモデルを、各社けっこう揃えていたものです。

それがいまや、ホンダのカタログに載るのはレブルの排気量違いだけ。レブル500と同250ですね。現行モデルが登場したのは昨2017年で、ナローボディとファットなタイヤの対比がおもしろい、モダンでスタイリッシュなデザインを特徴とします。特にクォーターモデルのレブルが国内でも地味に売れ続けている理由は、ルックスのよさもさることながら、ズバリ、その乗りやすさにあるのでしょう。

◆いかにもホンダらしい、そつのない仕上がり


望外の足つきのよさに加え、ライディングポジションも、アメリカン風味を感じさせつつ、不自然に過ぎない。両手は伸ばし気味になりますが、ステップの位置は無理なく足を降ろした位置にあります。ホイールベースは1490mmと長めで、フロントフォークを傾けて前輪を前に押し出しているけれど、アライメントの工夫と16インチタイヤの採用で、ハンドリングの違和感を最小限に抑えている。

ロールは緩やかで、タイトなカーブでもステアリングが急に切れ込んだりはしない。安心感がある一方、単気筒の鼓動とともに、ムッチリとしたリアタイヤ(150/80R16)が地面を蹴って「曲がり」から立ち上がっていく……。そんな”らしさ”もしっかり残しています。いかにもホンダらしい、そつのない仕上がりですね。

もちろん、アメリカンの独特な操舵感をもっと濃厚に味わいたい向きもありましょうが、レブル250が相手にするのは、もうすこしライトなお客さま。メカニカルなチューンはさて置いて、ミラーやレバー、灯火類を変え、ハンドルバーを交換し、場合によってはマフラーとリアフェンダーあたりも検討して、さらにイケてるカスタマイズに励みたい。そんなユーザーが対象です。「シンプルを突き詰めたタフ&COOLなデザイン」と謳われるレブルなら、そうした欲求に十分応えてくれることでしょう。

◆そのまま乗っても、素材として扱ってもさまになる


エンジンは、水冷4ストローク単気筒(26ps、2.2Nm)。76.0×55.0mmのボア×ストロークは、新世代ネイキッドたる『CB250R』と同じながら、より低中回転域に重点を置いたセッティングが施されます。6速ギアボックスのレシオは、ファイナルを含めてCB250Rと同じ。車重は170kg(ABSなしは168kg)と見かけのわりに軽めで、カタログ燃費は34.1km/リッター(WMTCモード値)と良好です。ABSなしが53万7840円、ABS付きには58万8600円のプライスタグが付きます。

そのまま乗っても、素材として扱ってもさまになるレブル250。もっぱら街乗りに使うのも「アリ」ですが、そのリラックスした着座姿勢なら、ロングツーリングも楽勝のはず。問題は「荷物をどう運ぶか?」ですが、レブルの場合、搭載方法もカスタムの一環といえるでしょう。

少々の不便は、ちょっとした創意で楽しみに変える。バイクライフの基本。ホント、レブル250なら、勝ったも同然です。

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