国内新車市場に異変! HV失速、ディーゼル車に熱い視線[新聞ウォッチ]

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。


2018年10月29日付

●日ASEAN研究実用化、バイオ燃料、CO2減、イネ改良(読売・1面)

●ハロウィーン荒れる渋谷、軽トラ横転させる、暴行や盗撮疑い(朝日・35面)

●東証週明け荒れ模様、2万1000円割れも好決算なら上昇(産経・3面)

●世論調査、消費増税「賛成」47%、内閣支持率横ばい48%(日経・1面)

●タクシーで自動運転検証、ディアフォーと名大人間と精度比較(日経・7面)

●「日本を変えた千の技術博」乗り物進化速く快適に(毎日・19面

●日本シリーズ、広島先勝打線つながる(日経・33面)


ひとくちコメント

「オヤオヤ……?」と頭を傾げた人も少なくないだろう。日経が10月28日付朝刊で取り上げた記事である。タイトルは「電動車販売 日本踊り場、けん引役のHV失速」。

それによると、「世界的に拡大する電動車の販売が日本で踊り場にさしかかっている」との書き出しで「2018年度上期(4〜9月)のハイブリッド車(HV)など電動車の販売台数がマイナスに転じた」と伝えている。

具体的には上期の電動車は前年同期比2.5%減の53万2628台。このうち、「電動車の9割強を占め、けん引役だったHV販売が2.0%減と失速したことが全体の落ち込みにつながった」と分析。

さらに「燃費志向の消費者が、車両価格が割安なディーゼル車に流れ、販売台数が過去最高になるなど世界的にも特殊な市場になっている」とも指摘している。

ディーゼル車がHVに代わって売れ行きが好調というのも興味深い話だが、日経でも「日本では1990年代からディーゼル車の排ガス規制が段階的に強化されており、環境への悪影響のイメージは薄れつつある」などと伝えている。

しかも、記事では高騰が続くガソリン価格にも触れており「ディーゼル車の燃料になる軽油は2割ほど安い」など、「初期費用を含めた経済性も評価されているようだ」とも。日経をはじめ、メディアは、これまで独VWによる排ガス不正の影響などで逆風のディーゼル車よりHVやEV(電気自動車)など電動車の話題が主流だった。だが、“ 風見鶏”の日経の記事のように、再びクリーンディーゼル車に熱い視線が注かれる可能性もある。