鹿児島市内の中心部で発生した多重衝突事故について、警察は車両を放置して現場から逃走していた男を逮捕した。無免許運転のうえ、事故当時は酒に酔った状態だったという。

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鹿児島県鹿児島市内の県道で乗用車を飲酒運転し、車両4台が関係する多重衝突を起こしたまま逃走していたとして、鹿児島県警は27日、同市内に在住する男をひき逃げなどの容疑で逮捕した。男は容疑への関与を否認しているという。

鹿児島県警・鹿児島中央署によると、問題の事故は2018年9月25日の午後9時40分ごろ発生している。鹿児島市山之口町付近の県道(片側3車線の直線区間、道路中央部に路面電車の併用軌道あり)で、信号待ちで停車していたタクシーに対し、後ろから減速しないまま進行してきた乗用車が追突。タクシーの前方に止まっていた軽乗用車2台も巻き込まれ、4台が関係する多重衝突に発展した。

この事故でタクシーを運転していた69歳の男性が頚椎を骨折する重傷。他の2台に乗っていた5人も軽傷を負ったが、追突車を運転していた男は車両を現場に放置して逃走した。

目撃証言から周辺捜索を実施したところ、同日中に運転者とみられる59歳の男を発見。任意で事情を聞いていたが、容疑への関与が固まったとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(無免許運転過失傷害)や道路交通法違反(ひき逃げ、酒気帯び運転)容疑で27日に逮捕している。

現場は鹿児島市の中心部で、昼夜を通して交通量が非常に多い区間。聴取に対して男は「俺はやっていない」などと供述。容疑への関与を否認しているようだ。警察では日常的に無免許運転を繰り返していたものとみて、男を厳しく追及するとともに、飲酒した場所や量の特定も急ぎ、事故発生の経緯を詳しく調べている。

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ひき逃げ(当て逃げ)の容疑者が現場から逃走する理由は、無免許運転や飲酒運転の発覚逃れを目論んだ結果であることが多々だが、今回はその両方だった。無免許になっているのは、過去に違反を累積していた結果というケースもこれまた多々となるが、それでも懲りずにやってしまうからこそ、同じようなことを繰り返すことになるのだろうか。