スバル『WRX STI』TYPE RA-Rは、現行WRXのなかでもっともポテンシャルの高いモデル。先日発表されたばかりの同車をベースとしてSTIの各種パーツが満載された車両に試乗した。
「STIパフォーマンスパーツ装着車」と呼ばれるこのモデルは、STIスタイルパッケージ+コンプリートキットを基本にプラスアルファされている。STIスタイルパッケージの内容はフロントアンダー、サイドアンダー、リヤサイドアンダー、リヤアンダーの各スポイラーの4点キット。この開発には風洞実験はもとより、ドイツのニュルブルクリンクでの実走で仕上げられたものだ。
コンプリートキットは、フレキシブルタワーバー、フレキシブルドロースティフナー、フレキシブルサポートサブフレームリヤの3点。シャシー&車体を強化しつつ、余分な力を上手に逃がすことができるパーツだ。
さらにバンパーカナードやスカートリップ、ドライカーボンRウィング、レイズ製鍛造アルミホイールなどが装備されたフル装備状態となっていた。
RA-Rの吹け上がりのいいエンジンフィールはそのまま、軽快にクルマを加速させていくと、ベースモデルとはステアリングフィールが異なることがわかる。ノーマルでも重さはさほど感じなかったが、このSTIパフォーマンスパーツ装着車はさらに軽さが強まっている。大きな理由はリヤの大型ウイングが発生させるダウンフォース。フロントが持ち上がり気味になるため、ステアリングの軽さが目立つのだろう。だが、不安定を伴うほどのものではない。
コーナリングを安定して行うには、リヤ荷重状態を解消するためにブレーキを軽く掛ける必要がある。フロントに荷重を移してからステアリングを切り込んでいけば、ススッとボディはターンインをはじめて力強くコーナリングを行う。そして加速に移れば強力にトラクションを掛けながら前に前にと進む。メリハリのいいドライビングフィールは、乗る者を魅了する。
WRX STIは前後のトルクバランスを制御するドライバーズコントロールセンターデフ(DCCD)を装備する。筆者はオートモードで試乗したが、この機能をより理解し調整しながら走ればさらにスポーティな走りが可能となるだろう。
スバル WRX STI TYPE RA-R を直球アプローチでチューンした、STIパフォーマンスパーツ装着車に試乗
2018年08月09日(木) 17時36分
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