ホンダ ステップワゴン スパーダ Hybrid G・EX Honda SENSING《撮影 島崎七生人》

今はT社やN社のミニバンに乗るご近所のパパさん達に「ステップワゴンのハイブリッドは出ないんですか?」と訊かれ続けてだいぶ経つ。やっと、お待ちかねのモデルの登場、しかもご期待以上ですよ!と答えられる日が来た。

プレゼンスを今一度高めるべくマイナーチェンジを実施した新型の売りは、言うまでもないが「スパーダ」にi-MMD=スポーツハイブリッドが追加設定された点だ。フルLEDライト採用の新しい外観は、全長が25mmだけ伸び、新パワーユニットの搭載に対応すべくエンジンフード部の厚みも増した。しっかりしたメッキグリルは、実は従来型より天地に面積が広がっているのだが、新しい薄型ランプとの組み合わせでむしろクールにすら見えると感じたのだが、いかがだろう?

内装も質感を高めた。地味だが差が明らかなのが、シートの座り心地。ヘッドレストの厚みを増したり、メーカーオプション設定の本革シート仕様は、クッション表面近くのウレタン層の厚みが足されるなど全面的に見直され、1クラス上の心地よい着座感をモノにしている。サードシート折り畳み時に掴むナイロンのハンドルに、手に優しいよう“巻き物”が追加されたり、さり気なくスマートなデザインで質感の高いセレクトレバーが採用されたり(ハイブリッド車)。ここに来て突如、初代以来、ピープルムーバーの経験を積んで来たホンダが“快適で納得がいくミニバンとはこうである”と回答を出してきた…そんな気がした。

そして走りもいい。ガソリン車に対し車重もプラスされるが、訊けば足回りの設定は専用とのこと。なので1名乗車で試乗しながら、気がつけばタイヤのグリップ限界に迫るような山道の走りさえ可能だった。車高を感じさせない低重心感があること、ステアリングフィールも穏やかで表情を激変させず、クルマ自体の挙動も終始安定感があることなどが美点。もちろん2リットルエンジンとモーターが組み合わせられたパワートレーンは、街中を流すような場面からワインディング、高速領域まで、十分な性能、自然なレスポンスを発揮してくれる。

“音・振”の小ささも秀逸。乗り心地もなめらかでフラットライド。ずいぶん磨きをかけてきたものだ…そう思わされた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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