
ホンダの海外向け高級車ブランドのアキュラは、6月22日に米国で決勝レースが開催される「パイクスピーク国際ヒルクライム」に参戦する。今回、アキュラとHRC USは競争の激しいタイムアタック1(TA1)部門に『インテグラ』の「タイプS DE5」レースカーで参戦する。インテグラを操縦するのは、インディカーとIMSAのベテランドライバー、キャサリン・レッグ選手だ。
レッグは2024年にTA1カテゴリーでトップ5入りを果たしており、今回が2度目の挑戦となる。昨年のルーキー参戦では10分51秒359を記録し、2018年にアキュラのエンジニアでパイクスピークのベテラン、ニック・ロビンソン氏が500hpのTLXで樹立した前輪駆動記録10分48秒094に数秒差まで迫った。
パイクスピークでのモータースポーツ活動は、アキュラの「プレシジョン・クラフテッド・パフォーマンス」戦略の重要な要素。アキュラは15年連続でパイクスピークに参戦しており、これまでに12回の部門優勝、30回以上の表彰台獲得、複数のコースレコード樹立という成績を残している。
「雲への競争」として知られるコロラド州のパイクスピーク国際ヒルクライムは、アメリカで最も長い歴史を持つモータースポーツ競技の一つだ。1916年以来、世界中のドライバーが様々な車両でタイムアタックに挑戦し、標高9390フィートから14115フィートの山頂まで駆け上がる過酷なコースに挑んでいる。
HRCのインテグラ・タイプS DE5は、複数のレーシングシリーズでの競技参加が可能で、レーサーに直接販売されている。この車両は、ホンダの最先端北米施設で設計・開発・組み立てられ、溶接、ボディ構造、塗装、最終組み立て、品質確認において革新的な技術を採用している。
DE5は市販のインテグラ・タイプSをベースに開発され、10世代目ホンダ『シビック』の「Si」や「タイプR」、11世代目シビックSi FE1など、HRCが開発した数々の成功を収めたツーリングカーの最新モデルだ。
SRO TCアメリカレーシングの最高クラスに参戦するインテグラ・タイプSの競技仕様は、デビューシーズンで6勝を挙げた実績を持つ。パワーユニットには、2.0リッター直列4気筒ターボエンジンK20C8を改良したものを搭載し、HRC USとHRC日本が共同開発したレーシング仕様エンジンは360hp以上を発生する。
このパワーは6速シーケンシャル・パドルシフトトランスミッションを介してHRC US開発のサスペンションとブレーキに伝達される。専用設計のボディシェルは、防音材やアンダーボディコーティング、シーム材などの不要な市販車部品を取り除き、安全ロールケージ、空力パーツ、冷却システムの強化が施されている。





