日産・ホンダの経営統合協議入りを各紙が一斉に報じている。写真は8月の共同会見《写真提供 日産自動車》

ホンダと日産自動車が経営統合に向けて協議に入るなどと、昨日(12月18日)の日経朝刊が最終版で特報したことを受けて、各紙も一斉に追随し、18日付けの夕刊に引き続き、きょうも日経を含む6紙全てが1面トップ記事で取り上げている。

このうち日経は「ホンダ・日産来週統合協議入り、EV世界競争へ連合『鴻海の買収』危機感」というタイトルで、「両社は来週23日にも経営統合に向けた協議に入るが、背景にはトヨタ自動車並ぶ2大勢力の結集に向けたホンダの強い覚悟があり、巨額投資が必要な電気自動車(EV)やソフトウエア搭載車の世界競争で劣後する状況の打破をめざす。ただ、日産には台湾電機大手・鴻海(ホンハイ)精密工業が経営参画の意欲も示しており、買収回避へ一気に統合に動いた」などと続報している。

さらに、総合面には「『800万台クラブ』問う進化」「中国勢躍進に対抗」「自動車大手、迫られる改革」として、「世界の自動車大手が戦略の転換点を迎えている。新興勢との競争激化により、多くは経営環境が厳しい。EVを軸にした協業や連携相手の変更、大規模なリストラなどを通じて、100年に1度とも言われる変革期を乗り越えようとしている」などと解説。

読売は総合面に「日産窮余の合従策、ホンダ独自路線に限界」との見出しで「両社が協議を急ぐ背景には、米中新興勢の台頭で急速に業界の勢力図が塗り替えられる危機感に加え、日産に触手を伸ばす台湾・ホンハイ精密工業などの外圧もあった。ホンダによる日産救済の色が濃い統合で、100年に1度と言われるクルマ業界の荒波を乗り越えられるかどうかは、まだ見通せない」とも指摘する。

「ホンダ・日産の統合協議」については、読売、毎日、産経が、きょうの社説のテーマにも取り上げており、読売は「変革期に立ち向かう大型再編」、毎日は「ピンチを好機にできるか」、そして産経は「統合で競争力の強化図れ」。その産経は総合面では「経営統合予断許さず」とのタイトルで、日経や読売同様に「ホンハイが日産の買収を探っている」などとしつつ「統合協議は難航が見込まれる」とも伝えている。

思えば、かつて経営悪化のシャープを買収したことでも知られるホンハイの“参戦”がなければ、両社の経営統合に向けた協議入りは、年明け以降に先送りされる可能性もあったようだ。

2024年12月19日付

●ホンダ・日産統合方針、三菱自も世界販売3位に、23日にも覚書、持ち株会社設立検討」(読売・1面)

●「カイロス」また失敗、飛行ルートずれ爆破 (読売・1面)

●訪日客最多3337万人、今年1〜11月、年間3500万人超か(朝日・6面)

●三菱重工社長に伊藤氏昇格 (毎日・6面)

●ヤマト、委託見直し打診、薄型荷物、日本郵便は反発 (産経・8面)

●ガソリン補助金きょうから縮小、2〜3週間で5円程度値上がり(日経・5面)

●燃料電池設備投資に補助、経産省、ホンダとトヨタに(日経・5面)

●「米で生産、拡大余地」スバル社長、追加関税巡り (日経・19面)

本田技研工業 青山本社、日産自動車 グローバル本社(参考画像)《写真撮影 太宰吉崇 / 写真提供 日産自動車》