ヒョンデの水素燃料電池トラック《photo by Hyundai》

米国のアリソントランスミッション(Allison Transmission)は、ヒョンデの水素燃料電池(FCEV)トラック『Xcient』の3万kmの評価テストをドイツのGLSが完了した、と発表した。

2023年後半から、GLSは、ドイツ・ケルン地域でアリソンの4000シリーズ全自動トランスミッションを搭載したXcientを使用し、10万個以上の荷物を配送している。さらに、2024年3月以降、このトラックはケルンとマンハイム間の長距離輸送にも使用されている。欧州全域の宅配サービスにおいて、この水素トラックの試験は、日常の物流における環境に優しい推進技術のテストの一環になるという。

この車両は、後輪が操舵可能で、1回の運行で最大1300個の荷物を運ぶことができる。180キロワット(241hp)の水素燃料電池システムを搭載し、2つの90kWの燃料電池ユニットが350kWの電動モーター(2237Nm)に電力を供給する。このモーターはアリソンの全自動トランスミッションと連携し、牽引力を失うことなく迅速な加速を実現している。

アリソンの特許取得済みトルクコンバーターは、始動時に駆動モーターのトルクを増幅し、Xcientがより小型で低出力の駆動モーターで運行できるようにする。これにより、航続と効率が最大化され、車両コストの削減にも寄与している。

GLSのこの試験は、環境に優しい技術の実用化に向けた重要なステップであり、今後の物流業界における持続可能な輸送手段の普及を目指すものだ。