欧州連合(EU)域内のドイツやフランスなど主要18カ国の2023年の新車販売台数(乗用車)が、前年(2022年)に比べ14%増の1284万台となったそうだ。
◆4年ぶりプラス
前年比でプラスに転じたのは4年ぶりで「新型コロナウイルス禍やウクライナ侵攻によるサプライチェーン(供給網)の混乱が収束に向かったことや、半導体不足による減産があった前年からの反動で大幅に増加した」とみられる。
欧州自動車工業会(ACEA)が発表したのを受けて、きょうの読売や日経などが報じているが、このうち、読売は「動力別では電気自動車(EV)がディーゼル車を初めて上回った」ことを強調。その内訳では、ガソリン車が11%増の458万台と車種別で35%を占めて最も多かったが、各国の振興策を受けて電気自動車(EV)は28%増の201万台で14.6%と拡大した一方、ディーゼル車は6%減の153万台で13.6%にとどまったという。
また、国別では、フランスが前年比16.1%増の約177万台、イタリアが18.9%増の約156万台、スペインが16.7%増の約94万台。販売台数の最も多いドイツは、財源不足による補助金の打ち切りでEVの販売台数が12月に半減し、7.3%増の約284万台となったとも伝えている。
◆トヨタがメルセデスベンツを抜く
さらに、メーカー別の首位は独フォルクスワーゲン(VW)で、販売台数は19%増の332万台となったほか、欧州ステランティスは4%増の212万台で2位を死守。日本勢ではトヨタ自動車がシェア6.9%の6位で、独メルセデスベンツグループのシェア5.5%を上回ったという。日産自動車とスズキ、マツダが販売台数を伸ばしたものの、三菱自動車は二桁の落ち込みで苦戦が目立ったという。
興味深いのはEU域内で各国のEV比率をみると、ドイツが18%に拡大したほか、フランスと英国も17%に達しており、EVの普及については、鳴かず飛ばずの日本に対して「所変われば、品変わる」のことわざが示すとおりである。
2024年1月19日付
●欧州EVディーゼル抜く、新車販売増、半導体不足から回復(読売・8面)
●「N-BOX」首位、23年新車販売2年連続(朝日・8面)
●パナ子会社が福島工場閉鎖、来年5月、老朽化で(産経・10面)
●マツダ、3万台リコール(産経・22面)
●自民支持最低14.6%、政治資金、法改正「必要」81%、時事世論調査(東京・6面)
●社説、JALや日鉄、多彩なトップに期待する(日経・2面)
●欧州新車販売4年ぶり増、昨年14%増、供給網の混乱収束(日経・14面)
●国内EV充電器、3年で4倍目標(日経・15面)
●トヨタ、来月までに統治方針説明(日経・15 面)
●トヨタ、連日最高値、米消費堅調、円安追い風(日経・19面)
欧州市場でEV快走、2023年新車販売でディーゼル車を初めて抜く[新聞ウォッチ]
2024年01月19日(金) 08時53分
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