「パワードサブウーファー」の一例(DLS・ACW68)。Photo by フェリースソニード

クルマいじりを楽しむドライバーに向けて、オーディオアイテムの取り付け作業の“勘どころ”をさまざま紹介している当コーナー。現在は「パワードサブウーファー」のインストールにおいての作業のポイントを説明している。

さて、前回から「電源配線」についての説明を開始した。で、まずは車内のどこかしらから「常時電源」を取ることについて解説したのだが、取説にてその方法が可能だとされている場合でも、できるなら車両のメインバッテリーから直接プラス電源を引き込む「バッ直」を行った方が、音的には有利だ。

なぜなら、口径の大きなスピーカーユニットを鳴らすためにはある程度大きな電力が必要となるからだ。その点「バッ直」を行えば他の電装品と電源線を共有しないで済むので、必要な電力を安定的に供給しやすくなる。

ただし「バッ直」は、車種によっては作業の難易度がかなり高まる。ポイントとなるのは、メインバッテリーがエンジンルームにある場合の「車室内にケーブルを引き込む作業」だ。

ところで配線作業を行う場合には、メインバッテリーのマイナス側の端子は外しておくべきだ。そうすることで作業中の万が一の「ショート」を防止可能となるからだ。でもそれを行うと、電装品の設定がリセットされてしまうことがある。なので、愛車では具体的にどのようなことが起こり得るのかを事前に確認し、そして作業後にはその対応をすることもお忘れなきように。

そして「バッ直」を行う場合、バッテリーとの接続は一番最後に行おう。これも鉄則なので覚えておこう。

さて、「バッ直」を行う上での注意事項はいくつかあるが、今回は先述した、ケーブルの車室内への通し方について詳しく説明しておきたい。

なおその際には基本的に、バルクヘッドに開けられている配線を通すための穴(ゴムキャップが装着されている)を活用したい。しかも配線が通されておらずゴムキャップだけが装着されている箇所を活用できるとベストだ。そのゴムキャップが見つかれば、そこに穴を開けてケーブルを通そう。

とはいえそのような箇所が見つかったとしても、状況によってはそれが使いづらいこともある。例えばメインバッテリーから離れた場所にある場合は使いにくい。また、運転席のペダル類のそばに開いている穴も使いづらい。ケーブルがペダル類に干渉する可能性があるからだ。

かくして、都合の良い場所に使えそうなゴムキャップが見つからない場合には、難易度がぐっと高まる。ちなみにプロが「バッ直」を行う場合、適当な場所にゴムキャップを見つけられなかったら、鉄板に穴を開ける。しかしこの作業はDIY向きではない。それしか手段がない場合には、「バッ直」は見送った方が無難だろう。

今回は以上だ。次回も「バッ直」においてのコツの説明を続行する。お楽しみに。