日産自動車グローバル本社(横浜市)《Photo by David Mareuil/Anadolu Agency/ゲッティイメージズ》

日産自動車はルノーグループとのパートナーシップの新たな基盤について協議を重ねてきたが、1月30日、協議が重要なマイルストーンを迎えたことを発表した。

アライアンスの連携を強化し、全てのステークホルダーに対して価値創造を最大化する事を目的とし、本件は次の3領域で構成される。

●高い価値を生むプロジェクトによる、パートナーシップの再構築。ラテンアメリカ、インドおよび欧州において、市場、自動車、技術の3つの視点で展開される主要プロジェクトを推進する。

●パートナーが参加可能な新しい取り組みによる、戦略的な機敏性の向上。ルノーグループが設立するEVおよびソフトウエアに特化したアンペア社に日産が出資し、戦略的な株主になる。

●バランスのとれたガバナンスと株式の相互保有による、事業効率の向上。日産とルノーグループは、ロックアップおよびスタンドスティル義務を伴う15%の株式を相互に保有する。両社とも、同保有株に付随する議決権を15%まで自由に行使できる。ルノーは現在まで、日産の株式を43%、日産はルノー株を15%持っている。

今後ルノーグループは、日産の株式28.4%をフランスの信託会社に信託する。ほとんどの議案に関する議決権は 「中立化」 されるが、株式が売却されるまでの間、ルノーが保有する経済的な権利(配当金と売却代金)は維持する。またルノーグループは、同社にとって商慣習上合理的な場合、協調的で秩序あるプロセスにて信託会社に信託した日産株式の売却を指示するが、特定の期間内に売却する義務は負わない。

アライアンス・オペレーティング・ボード(AOB)は、各社の調整の場として存続する。

本件の最終合意に向けた協議は引き続き行われており、実施に関してはルノーおよび日産の取締役会の決議を経る必要がある。

ルノーグループ本社(パリ)《Photo by Chesnot/Getty Images News/ゲッティイメージズ》