アウディのベルギー・ブリュッセル工場で生産を開始した Q8 e-tron《photo by Audi》

アウディ(Audi)は12月14日、新型電動SUV『Q8 e-tron』の生産を、ベルギー・ブリュッセル工場で開始した、と発表した。

Q8 e-tronは、アウディ初のEV『e-tron』の改良新型になる。アウディはe-tronの改良新型を発表するタイミングに合わせて、車名を、Q8 e-tronに変更した。アウディのフラッグシップSUVには『Q8』が存在する。アウディによると、車名の変更はQ8 e-tronを、アウディの電動 SUVのトップモデルと明確に示す狙いがあるという。

◆1回の充電での航続は最大582km
欧州市場では2023年春の発売当初、「50 e-tron」と「55 e-tron」の2グレードを設定する。ベースグレードの50 e-tronには、2つのモーターを搭載し、ブーストモードでは最大出力340hp、最大トルク67.7kgmを引き出す。55 e-tronでは、2つのモーターがブーストモードで最大出力408hp、最大トルク67.7kgmを獲得する。両グレードともに、最高速は200km/h(リミッター作動)とした。

バッテリーは、50 e-tron が蓄電容量95kWh(正味容量89kWh)。1回の充電での航続は、最大491km(WLTPサイクル)とした。

55 e-tronのバッテリーは、蓄電容量114kWh(正味容量106kWh)。1回の充電での航続は、最大582km(WLTPサイクル)としている。

◆エアロダイナミクス性能を向上させる新デザイン
ひと目でEVとわかる特長的なシングルフレームグリルを採用した。フロントグリル上部のブレードも新しい。リアは、ディフューザーが新デザインに。「エディションSラインパッケージ」には、ボディ同色仕上げのシングルフレームグリルが装備される。

エアロダイナミクス性能を向上させた。空気抵抗係数は、0.28から0.27に減少した。アンダーボディに取り付けられたホイールスポイラーは、ホイール周りの空気の流れを導くのに役立つ。フロントアクスルのスポイラーは大型化された。フロントグリルのラジエーターを自動的に閉じる電動シャッターに加えて、アウディで初めて、セルフシーリングシステムが採用されている。

オプションで、デジタルマトリックス LEDヘッドライトが選択できる。高速道路では、車線内の車両の位置をマークし、ドライバーが安全に車線の中央を維持できるよう支援する。強化された交通情報システムなど、3つの新機能も利用できる。

◆2つの大型高解像度ディスプレイ
ダッシュボード中央には、最新の「MMIタッチレスポンス」システムを搭載する。2つの大型高解像度ディスプレイは、上側が10.1インチ、下側が8.6インチとし、ほぼすべての操作系を集約する。2つのタッチディスプレイにより、多くの機能を自然な音声コントロールで操作できる。

ドライバー正面には、フルHDの解像度を備えた「アウディ・バーチャル・コックピット」を採用する。充電性能から航続まで、EVでの走行に関する重要な情報を表する。オプションで、ヘッドアップディスプレイが選べる。

ドイツ本国では、「MMIナビゲーションプラス」が標準装備される。高速データ伝送規格の「LTE Advanced」 に対応しており、車内をWi-Fi ホットスポットに変えることができる。ナビゲーションシステムは、従来走行したルートに基づいて、目的地をインテリジェントに案内する。さらに、アウディ・コネクト・ナビゲーションやインフォテインメントパッケージには、「car-to-X」サービスが付帯している。

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