2022年のWRCラリージャパン。勝田貴元&A.ジョンストンが3位に入った。《Photo by TOYOTA》

11月25日に来季2023年の世界ラリー選手権(WRC)カレンダーが発表された。今季、12年ぶりに開催された日本戦が来季も最終戦として実施される予定になっている。

◆日本開催は2023年11月16〜19日
ラリーの世界最高峰ステージであるWRCは、来季2023年も全13戦。いくつかイベントの離脱/参入という入れかわりはあるものの、ラウンド総数は今季2022年と同じだ。今季、2010年シーズン以来の復活を遂げた日本戦(ラリージャパン)が最終戦としてラインアップされているのも同様である(11月の開催というのも今季と同じ)。

今回発表されたWRCの2023年カレンダーは以下の通り。

第1戦 1月19〜22日 モナコ(モンテカルロ)
第2戦 2月9〜12日 スウェーデン
第3戦 3月16〜19日 メキシコ
第4戦 4月20〜23日 クロアチア
第5戦 5月11〜14日 ポルトガル
第6戦 6月1〜4日 イタリア(サルディニア)
第7戦 6月22〜25日 ケニア(サファリ)
第8戦 7月20〜23日 エストニア
第9戦 8月3〜6日 フィンランド
第10戦 9月7〜10日 ギリシャ(アクロポリス)
第11戦 9月28日〜10月1日 チリ
第12戦 10月26〜29日 セントラル・ヨーロッパ
第13戦 11月16〜19日 日本

*開催地は原則的に国名で記載(有名な呼称等ある場合はカッコにて併記)。第12戦はオーストリア、チェコ、ドイツによる共催。

◆勝田がワークスエントラントで走る機会も
今年のラリージャパンで3位に入り、年間総合ランキングでも5位と健闘した日本期待の勝田貴元は、来季もトヨタのトップカテゴリーマシン(GR YARIS Rally1 HYBRID)でWRC全戦に参戦することが既に発表されており、さらなる躍進に期待がかかる。

その勝田、これまではトヨタのトップカテゴリーマシンでの参戦ではあっても、ワークスエントラントである「TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team」(TGR-WRT)の登録ではなかった。いわば、トヨタ勢第4の戦士という育成本位の位置付けにあったわけだが、来季はこうした“登録状況”が変化して、勝田はステップアップを果たすことになった。

全戦にトヨタのトップカテゴリーマシンで出場するという基本的な参戦実態は来季も変わらないが、いくつかのラリーで勝田はTGR-WRT登録での参戦となる。TGR-WRTからは来季もカッレ・ロバンペラとエルフィン・エバンスがフル参戦し、セバスチャン・オジェも今季同様にパートタイム参戦を続けるが、オジェと3台目のマシンをシェアするかたちになっていたエサペッカ・ラッピが離れ、来季のオジェ不在戦では勝田がTGR-WRTの登録で走ることになったのだ(ラッピはヒョンデに移籍)。

つまり、2023年はオジェ不在時に勝田が直接的にトヨタ(TGR-WRT)のマニュファクチャラーズタイトル獲得のために戦う、という構図になる。責任が増した、ということは、それだけ評価を上げているということでもあり、そういった意味からも勝田への期待は高まるところだ(オジェ参戦時、勝田は登録的にはTGR-WRTのチーム外としての参戦になる)。

勝田のこれまでのWRC最高位は2021年のサファリでの2位で、表彰台は通算3回(2位1回、3位2回)。次に目指すは初優勝である。1月には早くも始まる新シーズンも、勝田の走りから目が離せない。

[追記] 来季2023年のWRCカレンダー発表を受けて、2022年11月26日に「ラリージャパン2023実行委員会」(興行主体)の同日付での設立と大会ロゴマークが公表された。2023年のラリージャパンは豊田市などがラリー競技を主催する(発表リリースによれば、自治体が競技の主催者となるのは全国で初めて)。タイトルスポンサーは2022年に続いて「株式会社フォーラムエイト」。

2022年WRCモンテカルロ戦の模様。《Photo by TOYOTA》 2022年WRCサファリ戦の模様。《Photo by TOYOTA》 2022年WRCフィンランド戦の模様。《Photo by TOYOTA》 2022年WRC日本戦の模様。《Photo by TOYOTA》 2022年WRC日本戦の模様。《Photo by TOYOTA》 2022年WRC日本戦の模様。《Photo by TOYOTA》 WRCラリージャパン2023年大会のロゴマーク。