#18 勝田貴元(トヨタ)は目下のところ5位。《Photo by TOYOTA》

2022年世界ラリー選手権(WRC)最終戦「ラリージャパン」(愛知・岐阜)は11日、実質的な競技初日といえる「Day 2」を迎え、マシン火災が発生するなど波乱の展開となった。この日を終えての首位はトヨタのエルフィン・エバンス。日本期待の勝田貴元は5位につけている。

愛知・岐阜での初開催となったラリージャパン復活初回大会(日本でのWRC開催は過去6回で、2004〜08、10年に北海道で実施された。今回が12年ぶり通算7回目)。やはり初開催地ならではの難しさというものは、世界トップの選手たちや陣営にも影響するのだろうか。11日(Day 2)は競技区間(スペシャルステージ=SS)が6つ(SS2〜SS7)予定された実質競技初日ともいえる日だったが、マシン火災が発生するなどし、SSの中止等が相次ぐ波乱の展開となった。

印象強烈なマシン全焼の火災が起きたのはSS2。ラリーの総合優勝を争うトップカテゴリー「Rally 1」規定のマシンのうちの1台、#6 ダニ・ソルドの「ヒョンデ i20 N ラリー1・ハイブリッド」が出火してしまった(現段階で原因は不明)。ソルドとコ・ドライバーが無事にマシンから降りることができたのは良かったが、マシンは激しく炎上…。ソルドらが消火に努めたものの、その甲斐もなく、WRC最前線のマシンが紅蓮の炎に包まれていく様はショッキングなものであった。

前日のSS1を首位で終えていた#1 セバスチャン・オジェ(トヨタ・GRヤリス・ラリー1・ハイブリッド)はSS2でパンクするなどして遅れ、11日終了時点でトップから約2分50秒差の総合10位。Rally 1のマシンは今回、9台が出走したが、#6 ソルドの戦線離脱や#1 オジェの後退などによって、実質初日である11日を終えた段階でラリー総合順位の上位に順当に位置しているのは6台のみとなっている。

ただ、6位の#44 ガス・グリーンスミス(Mスポーツ・フォード・プーマ・ラリー1・ハイブリッド)はドライブシャフトのトラブルで大きく遅れたステージがあるなどして、首位から約2分の差。“順当に”とは言い難い戦況で、ここまで(タイム面から)概ね順調に戦ってきていると見なせるRally 1勢は現状のトップ5、20.6秒差のなかにいる5台のみだろう。実質初日で9分の5、なかなかにサバイバルな展開である。

首位は#33 エルフィン・エバンス(トヨタ・GRヤリス・ラリー1・ハイブリッド)で、3.0秒差の2位が#11 ティエリー・ヌービル(ヒョンデ i20 N ラリー1・ハイブリッド)。トップから5.1秒差の3位には今季のチャンピオン、#69 カッレ・ロバンペラ(トヨタ・GRヤリス・ラリー1・ハイブリッド)がつけている。

日本期待の#18 勝田貴元(トヨタ・GRヤリス・ラリー1・ハイブリッド)は現在5位。サバイバルな展開のなかを走り抜いていって、今季2度目の表彰台に到達してもらいたいところだ。

2022年WRC最終戦(第13戦)ラリージャパンは、13日まで競技が続く。

(*本稿の順位、内容は12日午前1時の段階での掲示、情報等に基づく)

#18 勝田貴元(トヨタ)は目下のところ5位。《Photo by TOYOTA》 現在首位の#33 エバンス(トヨタ)。《Photo by TOYOTA》 今季王者の#69 ロバンペラ(トヨタ)は3位につけている。《Photo by TOYOTA》 ヒョンデ勢の一角、#6 ソルドのマシンが炎上(ソルドとコ・ドライバーは無事)。《Photo by Red Bull》 ヒョンデ勢の一角、#6 ソルドのマシンが炎上(ソルドとコ・ドライバーは無事)。《Photo by Red Bull》 母国戦制覇に向け、力が入るトヨタ陣営。《Photo by TOYOTA》 母国戦制覇に向け、力が入るトヨタ陣営。《Photo by TOYOTA》