ロイヤルエンフィールド スクラム411《写真提供 Royal Enfield》

創業121年目を迎えているロイヤルエンフィールドは、ブランド初のスクランブラー『スクラム411』の日本導入を決定。

それに先駆け、オンラインによる記者発表会が開催された。同ブランドのアジア太平洋市場の責任者アヌージ・ドゥア氏は、まずロイヤルエンフィールドの近年の動向を次にように語ってくれた。

「私たちが中型セグメントに位置付ける250cc〜750ccの排気量帯では、すでにグローバルリーダーへと成長しています。特にアジア太平洋地域におけるシェア拡大は大きく、この数年で80%以上の伸び率を記録。小型から中型へステップアップされる層と、逆に大型から中型へ移行される層のいずれにも支持されています。“RIDE. RIDE MORE. RIDE PURE”というコンセプトの元、一貫してシンプルで忠実な製品を送り出してきたことを高く評価して頂いているのではないでしょうか。事実、このセグメントでは、ニュージーランドで2位、タイや韓国では3位のシェアを獲得。日本においては、現在25店舗の正規ディーラーと5店舗のサブディーラーが稼働しており、今後はより一層充実したサポート体制を構築していくつもりです」

◆「ヒマラヤ」をベースしたスクランブラー
そんなアヌージ・ドゥア氏が、続いて説明してくれたのが、間もなく販売が始まる新型モデル、スクラム411の概要である。このモデルは、タフさで知られるアドベンチャー「ヒマラヤ」をベースに開発されたスクランブラーだ。

大きな違いは、フロントホイール径が21インチから19インチに小径化され、オンロードにおけるスポーツ性とオフロードでの走破性の両立が図られたことだ。武骨なヒマラヤに対し、ダウンタイプのフロントフェンダーやタックロールの入ったシート、アスファルト上でのグリップが引き上げられたタイヤを採用。そのたたずまいは、格段に洗練された。

ハリスパフォーマンス(現在はロイヤルエンフィールドの傘下)が手掛けた鋼管フレームに搭載されたエンジンは、411ccの空冷SOHC4ストローク単気筒だ。24.3PS/6500rpmの最高出力と32Nm/4250rpmの最大トルクを発揮するロングストローク型ユニットで、今や希少な空冷ビッグシングルながら、厳格なユーロ5規制をクリアしている。

前後サスペンションには、φ41mmの正立フォークとリンク式モノショックを組み合わせ、それぞれ190mmと180mmのトラベル量を確保しつつ、良好な足つき性(シート高は795mm)も実現。アップライトなライディングポジションとクッション性に優れたシートの効果も手伝って、渋滞の多い都心部でも快適なライディングが可能だと説明してくれた。

◆豊かなトルクと絶妙なギアレシオ、ハンドリングはより良くなっていることに期待
筆者(伊丹孝裕)は、スクラム411の下敷きになったヒマラヤを、これまでに幾度か試乗している。その度に感心させられるのが、豊かなトルクと、まったく急かされることのない絶妙なギヤレシオで、街中でもワインディングでも大らかな時間をもたらしてくれた。スクラム411はヒマラヤよりも重心位置が下がり、車体が軽量(ヒマラヤ:199kg/スクラム411:194kg)になったことを思えば、扱いやすさがさらに際立っているに違いなく、そのハンドリングに期待している。

カラーバリエーションには7つものバリエーションが展開される他、ウェアやアクセサリーも豊富にラインナップされているため、カスタムの楽しみも広がりそうだ。ベテランもさることながら、若いライダーに注目してもらいたい一台である。

アヌージ・ドゥア氏が「究極のアーバン・スクランブラー」と評するスクラム411の日本への導入は、2022年11月1日から開始される。メーカー希望小売価格は、ベースグレードのグラファイトイエロー/グラファイトレッド/グラファイトブルーが、83万8200円、ミッドグレードのスカイラインブルー/ブレイジングブラックが84万5900円、プレミアムグレードのホワイトフレーム/シルバースピリットが85万3600円となっている。

ロイヤルエンフィールド スクラム411《写真提供 Royal Enfield》 ロイヤルエンフィールド スクラム411《写真提供 Royal Enfield》 ロイヤルエンフィールド スクラム411《写真提供 Royal Enfield》 ロイヤルエンフィールド スクラム411《写真提供 Royal Enfield》 ロイヤルエンフィールド スクラム411《写真提供 Royal Enfield》 ロイヤルエンフィールド スクラム411《写真提供 Royal Enfield》