フォーミュラE運営団体と東京都が開催に向けて協力(10月4日、東京都庁)《写真撮影 高木啓》

2030年までに新車販売の乗用車と、35年までに二輪車の脱ガソリン化目指している東京都が、「電気自動車(EV)のF1」と呼ばれる国際カーレース「フォーミュラE」の誘致に向け、フォーミュラEを2024年春にも東京で開催される見通しという。

きょうの読売など各紙が取り上げているが、環境負荷の少ないゼロエミッション車(ZEV)の普及を目指す取り組みが世界的に広がるなか、知名度の高いEVレースを都内で開催し、環境先進都市づくりを後押しする狙いのようだ。

◆臨海都心、東京ビッグサイト周辺の市街地コース
運営会社の英フォーミュラEオペレーションズ(ロンドン)のジェイミー・ライグル最高経営責任者(CEO)が都庁を訪れ、小池百合子知事と開催協力に関する協定を結び、大会は24年春に東京ビッグサイト(東京・江東)周辺などをコースと想定して実施し、大会の安全確保などで協力するという。

小池知事は締結式で「ZEVの意義を広く発信し、普及拡大に向けた共感と行動につなげていくきっかけになれば」とあいさつ。ライグル氏は「24年のフォーミュラE開催を公表でき光栄。ZEVの今後の可能性を広げたい」と述べたそうだ。

◆環境先進都市づくりに弾みをつけたい
フォーミュラEは自動車レースのF1や世界ラリー選手権(WRC)などと同様、国際自動車連盟(FIA)の公式競技。エンジン音や排ガスがないEVを競技車両とし、世界の主要都市で年十数戦程度実施している。都が掲げる新型コロナウイルス収束後の「サステナブル・リカバリー」(持続可能な回復)に向け、EVの普及促進に弾みをつけるための大会と位置づけている。

東京ビッグサイトといえば、23年には日本自動車工業会(自工会)が主催する東京モーターショーを刷新して“JAPANオールインダストリーショー(仮称)”の開催が予定されているが、自工会加盟会社の中には周回遅れのEVよりも水素エンジン車などの開発を積極的に進める日本車メーカーもあり、日本初のEVレースの参戦にどこまで前向きなのかどうかも注目だ。

2022年10月5日付

●北ミサイル日本横断、飛行4600キロ過去最長(読売・1面)

●ピーチ、中距離国際線進出へ、年内にも関空 - タイ・バンコク線(読売・9面)

●「EVのF1」24年春開催、国内初東京ビッグサイト周辺で(読売・27面)

●商用EVの工場北九州に建設へ、EVモーターズ(朝日・7面)

●「物価上昇分賃上げでカバーを」首相、労使に議論求める(毎日・1面)

●「調査不足リニア工事中止を」差し止め訴訟、原告住民不安訴え、品川「調査掘進」開始1年(東京・24面)

●スズキ初のCVC、1億ドル規模(日経・15面)

●トラック運賃へ転嫁遅れ、燃料高でも1年半上昇せず(日経・18面)

2022年フォーミュラE、ニューヨーク大会《写真提供 日産自動車》 2022年フォーミュラE、ニューヨーク大会《写真提供 日産自動車》 2022年フォーミュラE、ニューヨーク大会《写真提供 日産自動車》