注文したモデルY

テスラ『モデルY』が発売されたと同時にとっさにポチッてしまった一編集者である筆者。金額は619万円! テスラを買うとはどういうことか? これから始まるテスラ購入までの道のりを消費者目線でレポートする本連載。やっと次に進んだと思ったら、想定以上に下準備が必要だったことを知る…。

必要書類は前もって準備が必須なわけ
納車までの手続きは進んでいるようだ。しかし、テスラでクルマを買うのはポチるだけなので簡単なのだが、簡単がゆえにその情報、テスラからの接触の少なさにじりじりと精神的に追い詰められる。自分が発注したクルマの状態が現在どうなっているのか? それは担当者もわからないという。そんななか動きがあった!

2022年8月19日、アプリでVIN(車両識別番号=Vehicle Identification Number)が突然発行された翌日、テスラの担当者からメールが届いた。そこには「登録書類を郵送させていただきました」とある。はたしてその翌日8月21日日曜日にレターパックで登録書類一式が届いた。

20枚強という多めの書類ではあったが、非常に丁寧にまとめられた書類でわかりやすい。まず、必要書類の一覧がある。そのなかで役所などから発行してもらわなければならないものがいくつかあった。「印鑑証明書」と法人であれば「登記事項証明書」、これらは発行日より1か月以内の原本が必要とある。その他車庫証明用に「保管場所使用承諾証明書」も用意しなければならない。

ここでふと思った。これいつまでに返送しなければいけないんだっけ? 同封されている書類にある【よくあるQ&A】には以下のようにある。

Q.書類はいつ返送すればいいですか?
A.お受け取り後1週間以内にお願いいたします。
しかしそこで改めて担当者からのメールを確認すると、「書類のご返送期日=8/25(木)必着」と書いてあるではないか! しかも「書類をご返送いただく際に遅れや不備がございました場合、納車日が数週間単位で大幅に後ろ倒しになる可能性もございます」との記述も!

クラクラとするアタマを押さえながらも日程とスケジュールを確認する。今日は8月21日日曜日。そういえば日本郵便は最近配送が遅くなったと言ってたな。不安になって同封された返送用レターパックライトの到着日数をサイトで調べると、レターパックプラスでは翌日に届くが「レターパックライト」は「配達の状況によりさらに1日ほど日数がかかる場合があります」とある。

であれば「25日必着」なら遅くとも23日には投函しなければならない。予定を確認するとなんとか明日22日月曜日なら時間が作れる、と思い、役所に行く予定を立てる。しかし明日投函するには今日中にこれらの書類の記入が終わらなければならない。急に慌ただしくなる。

私の場合、印鑑登録証だけでよかったが、駐車場を借りていれば「保管場所使用承諾証明書」も必要だ。これは駐車場のオーナーに記入してもらうしかない。となると、このスピードでは間に合わないのではないか。簡単に1週間程度遅れるおそれが出てくる。つまりは、最短で納車してもらおうと思えば、これらの書類は前もって用意しておかなければならないのだ。そうでなければ、「納車日が数週間単位で大幅に後ろ倒しになる可能性」が高くなる。のんびりテスラからの連絡を待っているどころではなかったわけだ。

そう思って、最初に来たメールを確認するとたしかに「オーダー後の流れのご案内」のなかに「書類が到着しましたら、1週間程度で署名、捺印をしてご返送いただけますと幸いです」と書かれてあった。う〜ん、そうだったか、そこまでちゃんと見落とすことなく読み込んでおくべきだったか。「連絡が来ない〜」とソワソワしているどころではなかったのだ。しかしこのスピードに普通のビジネスパーソンは対応できるのだろうか? と疑問にも思ったが、ともあれボクの場合はギリギリセーフとなった。

早速、書類の作成にとりかかる。書類はよくできていて、サンプルもわかりやすく、迷うことなく書き進めることができる。すべての書類に記入すべきところがわかりやすく白抜きされ、また、注意書きも赤字で記入されているので、記入ミスが最小限になるようになっている。

翌日、役所に行き、無事投函終了。ほっとひと息である。そこで改めて書類に目を通していると、先ほどの【よくあるQ&A】に納車日について、以下のように書かれていた。

Q.納車日はいつわかりますか?
A.日本に車両が到着し登録準備をする段階で、システムで一番早い納車予測日が決まります。TESLAアカウント上に自動表記されますので、お客様の車両生産完了後は定期的にTESLAアカウントをご確認の上、万が一納車日のご都合が合わない場合はお早めにお知らせください。
「定期的にTESLAアカウントをご確認」と書かれている。ここで正式に“常にアカウントを確認せよ”と指示が出たわけである。もちろん発注時にアカウントを作成しなければ発注できないシステムなので、その時点でTESLAのサイトから“マイアカウント”にログインできる。しかし「毎回確認せよ、通知はなく新たな情報はさりげなく更新される」とはだれからも伝えられなかった。そう、テスラは基本的に常にアカウントに最新情報が随時掲載されるのである。

アプリに納車日時が表示された
8月23日に必要書類を投函したのだが、ふとアプリを見ると、納車日時が表示されている。ん? となると書類の確認と納車日時は相関性がないらしい。納車日は表示されたのだが、このまますべて順調に進むということなのだろうか。

ともあれやっと納車日時が表示されるところまで来たのだ。9月22日。1か月後だ。しかし、その日仕事はどうなのだろうか? 時間まで指定されている。その時間に受け取りに行けるのか。いま現在、テスラの納車は東京、名古屋、大阪、福岡の4か所のみ。ディーラーがないので、近くのディーラーで納車されることはない。東京では納車場所の有明ガーデンに受け取りに行かなければならない。

ばたばたと急速に物ごとが進んでいくが、購入するための最大の関門である支払いの手はずがまだ整っていない。ボディカラーとホイールを標準外にしたので結局総額は670万円強となってしまったが、直近のメールにはローンの申し込みリンクが付けられていて、金利も1.7%と説明されていた。極端に安くはないが高くもないという金利なので安心した。しかしリンクされていたサイトは、ポチったときに選んだ会社ではなかった。なぜかな〜と思いつつも、まぁ、とくにこだわりはないので、そのまま申し込みを完了した。

それから2週間あまり、9月7日にやっとローン審査が通ったと電話が来る。初めて担当者と電話で話した感動が身に染みる。そして待つことになれていた身ではあったが、この2週間も長かった。納車日はゆっくり時間が取れる日に変更したいとのリクエストを出した。このときわかったのだが、有明でのテスラの納車は、日曜日と月曜日はなし、火〜金曜日は16:00〜18:30、土曜日は11:00〜15:30で、30分ごとに納車が設定されているらしい。

が、最速の納車日は初期の設定日で、変更をするにはそれ以降の日時になり、場合によっては納車自体が数週間レベルで遅くなる可能性があるとのこと。仕方ない、なんとか仕事を調整して時間を作ることにする。

これで晴れて安心して納車を待つことになった。ただ納車までにするべきこととして、自動車保険と補助金申請の準備がある。補助金は、国と東京都のものがあるが、今年は日産のサクラなども販売されて申請が急増したらしく、10月には枯渇するらしい。早め早めの準備が必要となる。

さて、いよいよ次回は納車の報告となる予定だ。それまでのあいだは逆に連絡は来てほしくない。なにごともなく当日有明で納車されることのみを願う。

田代真人
福岡県出身。九州大学工学部卒業後、朝日新聞社入社。その後、学習研究社にてファッション女性誌編集者、ダイヤモンド社にて初代Webマスター、雑誌編集長、書籍編集などを経て独立。出版&電子出版、Webプロデューサー、PRコンサルタントとして活動後、現在は、駒沢女子大学教授、桜美林大学非常勤講師を務める。専門は「編集論」。

「Welcome to the Tesla Community」の文字に心が躍る 書類返送の期日が4日後! とてもわかりやすい必要書類のサンプル 納車日時が表示されている