フォルクスワーゲン ID.エアロ(コンセプトカー)《photo by VW》

フォルクスワーゲンは6月27日、ブランド初のEVセダン『ID.エアロ』(Volkswagen ID. AERO)のコンセプトカーを初公開した。市販モデルは2023年から生産される予定だ。

◆1回の充電での航続は最大620km
流れるようなラインと充分なスペースを備えたダイナミックな4ドアセダンだ。ボディサイズは、全長が約5000mmで、最初に投入される中国市場では、アッパーミドルクラスに属する。フロントやルーフの空力デザインがエネルギー消費を削減し、航続を伸ばすのに役立つという。

蓄電容量77kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。効率的なEVパワートレインと優れた空力特性のおかげで、1回の充電での航続は最大620kmに到達する。

ID.エアロの市販モデルは、中国で4番目の「ID.」モデルシリーズとなり、2023年の後半に発売を予定する。フォルクスワーゲンの中国合弁事業の一汽フォルクスワーゲンと上海フォルクスワーゲン向けに、2つのバージョンが計画されている。早ければ2030年には、中国で販売される新車の2台に1台が、EVになると見込む。

◆前面空気抵抗係数を示すCd値0.23の空力デザイン
スポーティな22インチのツートンカラーのホイールはタービンデザイン。ホイールハウジングにぴったり収まる設計とした。従来のドアハンドルは、照明付きのタッチサーフェスに置き換えられ、空気抵抗をさらに抑えた。車体の上部には、大胆なトルネードラインと下向きに傾斜したルーフラインを配した。力強いショルダーセクションは、EVセダンをより平らに見せ、ダイナミックな印象を与えることを狙う。前面空気抵抗係数を示すCd値は0.23とした。

コンセプトカーには、ポーラーライトブルーと呼ばれるメタリック塗装が施された。ライトメタリックシェードのカラー顔料が、光の条件によって、ゴールドのきらめき効果を生み出す。ルーフは車体とは対照的に、グロスブラックで塗装されている。

フロントマスクは、ID.ファミリーらしいハニカムパターンだ。フロントマスクは、バンパーで水平方向に2分割されており、ID.ファミリーらしさを表現する。フロントの最上部には、スリムなライトストリップが配され、照明付きのフォルクスワーゲンエンブレムの左右に、LEDマトリックスヘッドライトの「IQ.LIGHT」をレイアウトする。リアエンドは、ダークライトストリップとハニカム構造のLEDテールライトクラスターを装備した。これにより、ID.エアロ独特の外観を作り出しているという。

◆中国に加えてヨーロッパと北米でも販売される予定
ID.エアロは、「MEB」車台の多様性を示す1台だ。EV専用のMEBアーキテクチャは、その設計の柔軟性により、さまざまな形状やサイズの車両に適合させることができる。MEBは、コンパクトなクロスオーバーやSUV、ミニバンから、大型セダンまで、さまざまなセグメントで使用できる。MEBはまた、電気モビリティの可能性を充分に活用し、長い航続、デジタル接続、無線更新を実現するという。

フォルクスワーゲンは、ゼロエミッションのモビリティ実現に向けて、全世界で電動化攻勢を進めている。ID.エアロは、ID.ファミリーの新しいフラッグシップモデルとして、将来的にグローバル市場に投入され、中国に加えてヨーロッパと北米でも販売される予定だ。

ID.エアロの欧州仕様車は2023年、ドイツ・エムデン工場の組立ラインから出荷される予定だ。EVの大量生産により、エムデンは地域で最初のフォルクスワーゲンのEV工場のひとつとなり、ラインナップの電動化に貢献。車両全体のCO2排出量を削減する、としている。

フォルクスワーゲン ID.エアロ(コンセプトカー)《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.エアロ(コンセプトカー)《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.エアロ(コンセプトカー)《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.エアロ(コンセプトカー)《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.エアロ(コンセプトカー)《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.エアロ(コンセプトカー)《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.エアロ(コンセプトカー)《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.エアロ(コンセプトカー)《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.エアロ(コンセプトカー)《photo by VW》