フォルクスワーゲン ID.4《photo by VW》

フォルクスワーゲン(Volkswagen)は6月9日、欧州向けの新型EVの『ID.4』に、デュアルモーター+AWDの「Pro 4MOTION」を設定すると発表した。

◆1回の充電での航続は最大517km
Pro 4MOTIONには、従来のリアアクスルに加えて、フロントアクスルにもモーターを搭載する。駆動方式は4WDの「4MOTION」となる。フロントのモーターは最大出力109ps。デュアルモーターシステム全体で265psのパワーを引き出す。シングルモーター仕様の最大出力204psに対して、パワーは61ps強化された。

動力性能は、0〜100km/h加速が6.9秒。シングルモーター仕様の8.5秒に対して、1.6秒の短縮を果たす。最高速はシングルモーター仕様の160km/hから、180km/h(リミッター作動)に引き上げられた。

バッテリーは蓄電容量が77kWhと変わっていない。1回の充電で最大517km(WLTPサイクル)の航続を可能にする。シングルモーター仕様の520 km(WLTPサイクル)と、航続は同等だ。

◆急速充電はバッテリー容量の8割を約36分で充電
AWDシステムのおかげで、Pro 4MOTIONの最大牽引能力は、シングルモーター仕様と比較して引き上げられた。8%の勾配を走行する場合、牽引能力は200kg増加して1400kgに到達している。

バッテリーは低重心化のために、キャビンのフロア下にレイアウトされた。210mmの最低地上高により、整備されたオフロードで優れた性能を発揮するという。アルミホイールは、最大で21インチが装着できる。

充電に関してID.4の顧客は、欧州で最大出力135kWの急速充電が利用できる。DC急速充電ステーションでは、バッテリー容量の8割を、約36分で充電することができる。

◆「AR(拡張現実)ヘッドアップディスプレイ」
ID.4は、フォルクスワーゲングループのEV向けモジュラー車台、「MEB」アーキテクチャをベースにしている。全長は4580mmで、乗員のための充分なスペースを持つ。トランクルームの容量は543リットル。後席を倒せば、最大で1575リットルに拡大する。電動テールゲート、ルーフレール、キャンピングカーなどのけん引ブラケットが装備される。

インテリアは、ボタンやスイッチ類を極力なくし、2つのディスプレイに操作系を集約した。そのうちの1つのディスプレイは12インチサイズで、タッチ機能を備える。

「AR(拡張現実)ヘッドアップディスプレイ」をオプションで用意した。ナビゲーションの矢印を路面に投影し、ドライバーに進行方向を分かりやすく伝える。先進運転支援システム(ADAS)の「IQ.Drive」では、部分自動運転が可能な「トラベルアシスト」が利用できる。

◆欧州では無線でソフトを更新
ID.4のソフトウェアとハードウェアは、新しいアーキテクチャの一部として設計されており、顧客は新車購入後に、アップデートをダウンロードできるようになる。

ID.4では、無線(OTA)ソフトウェアアップデートが欧州で利用できる。欧州で販売されたID. 4は、Wi-Fiまたはモバイルネットワークを通じて、新機能や技術的なアップデートを受信できるようになる。OTAアップデートに必要なソフトウェアの「バージョンID.2.1」は、ID.3とID.4の全車に搭載されている。

このソフトウェアのバージョンID.2.1を使用すると、量販車セグメントで初めて、顧客が工場に行かなくても、車載コントロールユニットなどを更新できるようになる、としている。

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