同社の最新技術やプロダクトについて語る三島社長《写真撮影 家本浩太》

ボルグワーナーは5月25日、「人とくるまのテクノロジー展2022横浜」開幕に合わせ、メディア向けのプレゼンテーションを実施。三島邦彦ボルグワーナー・モールススステムズ・ジャパン社長が未来のモビリティのための最新技術などについて説明した。

三島社長は、同社の展開する「チャージング・フォワード」プロジェクトについて紹介し、2030年までに売上の45%をEVから生み出すという計画を示した。

また、プロジェクトを大きく推し進めるための柱となる、乗用車や商用車の電動化に関する最新のプロダクトについても説明。航続距離を飛躍的に伸ばすためのバッテリーや現在開発に取り組む「800Vインバーター」、統合ドライブモジュール「iDM」について概要を明らかにした。

アカソルの最高品質のセルのみを使ったパワフルなバッテリーシステムは、電圧の低いセルや酸素を抑え込む素材・形状の採用、熱を逃す仕組みなども特長。急速充電や頻繁なチャージなど、商用車ならではの厳しい使用環境でも発火などのリスクを抑制する、信頼性の高いものとなっている。現在、アメリカのバスメーカーをはじめ、10社ほどでの利用実績がある。

800Vインバーターは、バイパーパワーモジュールを搭載。デュアルサイドクーリングで、シリコンとシリコンカーバイドを有効利用し、低コスト、ハイパフォーマンスを実現する。耐熱面でネックとなるワイヤーボンドを使用せず、高い電流密度も特徴だ。

iDMについては、同展会場に「iDM 146」を出品。また、最新の「iDM 220」については最大出力250kW/最大トルク5000Nm を発生する高性能電動駆動システムとなる。外径220mmとコンパクトなステーターを備えた電気モーターを採用するほか、ギアボックスおよびシリコンベースの400V級インバーターとの一体構造とし、システム全体の大幅な軽量化と小型化を実現している。拡張性やカスタマイズ性にも優れ、さまざまな車両に組み込みやすいという。

また、同社のカーボンニュートラルへの取り組みについても触れ、2035年の達成を目標に掲げた。工場の高断熱化や太陽光発電の活用、EVの利用、電気炉における熱を逃さない仕組みづくりなどのほか、事業所で個人向け宅配の受け取りを行えるようにするなど、ソフト面でもカーボンニュートラル実現に努めていることを語った。

(左から)ボルグワーナージャパンの仁科充広シニアマネージャー、オリヴィエ・アパリシオエミッション/サーマル/ターボ日本地域統括本部長、石原充パワードライブシステムズ事業部マネージャー、三島社長《写真撮影 家本浩太》 統合電動ドライブモジュール iDM220《写真提供 ボルグワーナー》 ボルグワーナー(人とくるまのテクノロジー2022)《写真提供 高木啓》 ボルグワーナー(人とくるまのテクノロジー2022)《写真提供 高木啓》