節電する東京:ライトアップを消灯した東京タワー(3月22日)《Photo by Carl Court/Getty Images News/ゲッティイメージズ》

東京電力と東北電力の管内を対象に初の「電力需給逼迫警報」が発令されたが、電力の需給が逼迫し、大規模停電が発生しかねない最悪の事態となったという。

東北地方を中心に起きた地震による火力発電の停止や気温の低下で電力の使用量が当初予定していた供給力を上回ったが、緊急時の予備電源とされる「揚水発電」の活用で供給力を確保して何とか回避したそうだ。

その節電要請は東京電力管内では継続されるようで、きょうの各紙も読売、朝日、産経、東京が1面トップで「節電綱渡り停電回避」(朝日)や「東電管内きょうも逼迫」(産経)などと報じている。このうち、日経は、東日本大震災から11年が過ぎても解決が遠い構造問題が横たわり「送電網整備先送りのツケ」があらわになったなどとも取り上げている。

さらに、社会面では、毎日が「まん延防止全面解除、経済再開水差す電力逼迫」との見出しで、東京や大阪などで2か月半も続いていた新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置がようやく全面解除されたが、首都圏などは初の電力需給逼迫警報が出されて節電を呼びかける事態と重なり、飲食店からは「せっかくスタートラインに立てたのに」と恨み言も漏れたなどと伝えている。

恨み言といえば、余談だが、最近の原油価格の高騰などを理由に、先日、マイカーをハイオク仕様のガソリン車から電気自動車(EV)に乗り換えたばかりの都内に住む知人からも節電要請のなかでの「充電」は気が引けると愚痴っていた。マイカーの買い替えは自己責任でもあるが、想定外の節電では慰めようもない。

2022年3月23日付

●電力逼迫停電は回避、東電管内、使用率一時100%超、きょうも節電要請(読売・1面)

●円安6年ぶり120円台、低成長続き「独歩安」(読売・9面)

●最大の107兆円予算成立、新年度過去4番目の早さ(朝日・3面)

●公示価格2年ぶり上昇、新型コロナの影響和らぐ(朝日・3面)

●まん延防止全面解除、経済再開水差す電力逼迫(毎日・31面)

●トヨタ国内工場停止延長(日経・19面)

●空飛ぶクルマ、スズキが連携、新興スカイドライブと、インド展開視野(日経・19面)

●一部システム小島プレス復旧、先月にサイバー攻撃(日経・19面)

●新幹線高架橋、損傷大きく、電柱も被害、復旧阻む(日経・47面)

節電する東京:ライトアップを消灯したレインボーブリッジ。臨海都心も暗い(3月22日)《Photo by Carl Court/Getty Images News/ゲッティイメージズ》